USBフラッシュメモリ用Linuxディストリビューションの比較Super Review(2/4 ページ)

» 2008年05月31日 00時00分 公開
[Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

Pendrivelinux

 PendrivelinuxはUSBフラッシュメモリ用のディストリビューションだが、プロジェクトのWebサイトは、フラッシュメモリ上でのLinuxの利用についての記事や情報を満載した総合的な情報源にもなっている。

 PendrivelinuxのWebサイトには、PendrivelinuxLinuxからインストールする方法Windowsからインストールする方法についての記事が用意されている。PendrivelinuxはライブCDとしてはリリースされおらず、WindowsかLinuxが利用可能な状態である必要がある。インストールするには、.zipファイルをダウンロードして、(Windows用に提供されているバッチファイルを使用するか、Linux上でsyslinuxを使用して)USBフラッシュメモリをブート可能な状態にする必要がある。今回はまずLinuxからのインストールを試してみたが、ブートしなかったので、Windowsからのインストールに変更したところうまく行った。ただし小さな問題点が1つあって、Vistaを使っていたのだが、USBフラッシュメモリをブート可能にするためのバッチファイルをAdministratorアカウントで実行する必要があった。Administrator権限を持っていても普通のアカウントではバッチファイルを実行しても正常に機能しなかった。

 Pendrivelinuxには非常に多くのものが含まれている。.zipファイルはちょうど500Mバイトを切る大きさで、フル装備のKDEデスクトップなど人気のあるLinuxプログラムが数多く含まれている。MCNLiveの開発者たちの協力によりMandriva 2007.1をベースとしていて、(256Mバイトのループバックファイルを利用して)再起動後にも変更内容が保存されている。また、KDE 3.5.6、Firefox 2.0.0.3が含まれている。OpenOffice.orgは含まれていなかったが、その代わりとしてKOfficeが含まれていた。さらに3Dデスクトップ効果がサポートされていて、数回クリックするだけで、仮想デスクトップの3Dの立方体の表示や、はためくウインドウや透過などを楽しめる。

 KOfficeではよく使われているMicrosoftとOpenOffice.orgのファイル形式のインポート/エクスポートに限界があるため、 OpenOffice.orgが含まれていないという点がネックになることがあるかもしれないが、その点を除けば、Pendrivelinuxは日常的な使用にも適している優れたUSBフラッシュメモリ用Linuxディストリビューションだといえるだろう。

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