USBフラッシュメモリ用Linuxディストリビューションの比較Super Review(3/4 ページ)

» 2008年05月31日 00時00分 公開
[Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

Ubuntu

 UbuntuにはUSBフラッシュメモリ上にインストールするための手軽な方法は用意されていないが、PendrivelinuxのWebサイトで、UbuntuをUSBフラッシュメモリに詰め込む方法を説明した記事が提供されている。手順はかなり複雑で、21ステップを行う必要がある。作業ではsyslinux、mkfs.ext2、apt-getといったコマンドラインツールを使用しなければならないため、初心者向きではないだろう。とはいえ、そのようなコマンドを使うことに不安を感じないユーザーであれば試してみる価値はある。

 インストールが完了すれば、通常のUbuntuシステムをフルに使用できるようになる。フラッシュメモリのうちの750MバイトをOSが使用するので、その残りをユーザーのファイルや文書のために使用することになる。Ubuntuであることに変わりはないので、GNOME、OpenOffice.Org、Firefoxなどの最新版を含む多様なソフトウェアを使用することができる。

 Ubuntuをフラッシュメモリ上で使うことには難点が1つある。それは特に技術的な問題というわけではなくて、(Ubuntuはフラッシュメモリ上で使用するためのディストリビューションではないということから)使用している際に常に不安を感じるという点だ。しかもしばらく使用した後、その不安は現実のものとなってしまった。あるとき、特に明らかな理由はないのにもかかわらずフラッシュメモリからブートできなくなったので、OSを再インストールせざるを得なくなってしまった。再インストール後はまったく問題はなくなったように思えたのだが、その後GNOMEの起動に問題が出るようになり、幾つかのファイルに書き込みを行うことができないというエラーメッセージが表示され続けた。わたしの場合はその時点でUbuntuをフラッシュメモリ上で使うことはあきらめてしまった。

 このことはUbuntuに対する非難ではなくて、複雑なソフトウェアを当初の目的以外の場所に押し込めようとする試みが危険なことになり得るという警告として受け取ってもらえればと思う。

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