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» 2008年06月24日 15時39分 UPDATE

日本人に似た真面目な国民性:オフショア開発第三の地にベトナムが浮上 (1/3)

オフショア開発の地として新たにベトナムが浮上している。こつこつと仕事に取り組む真面目な人材が多く、人件費も安く抑えられることから、開発拠点に据える企業が増えている。だが安易にベトナムを選ぶと、成功は遠のくようだ。

[藤村能光,ITmedia]

 業務を海外の企業にアウトソーシングするオフショア開発が欧米企業を中心に増えている。代表的な委託先としてインドや中国が挙がる中、第三の地として浮上しているのがベトナムだ。

 ソフトウェアの開発年数は中国では30年に上るが、ベトナムはわずか10年ほど。エンジニアの技術力や数で中国やインドの後塵を拝するベトナムだが、政治や経済の変化によって投資の回収が困難になるといったカントリーリスクの影響が低いこと、人件費が抑えられることなど、開発拠点として優れた面も持っている。

 日本ではエンジニアが慢性的に不足しており、優秀な人材の獲得は難しい。特に、製品のテストなど地道な仕事を担当する人材を確保することは、企業にとってハードルが高い。

 そのような背景を基に、自社製品の開発拠点にベトナムのホーチミンを選んだ企業がある。グループウェアの開発を手掛けるサイボウズだ。

 大規模向けグループウェア「ガルーン2」の最新版は、ベトナムにおける開発を通じて完成した。ベトナムでの開発を指揮した佐藤学開発部長は「日本は人材難でエンジニアを獲得できなかった。品質にこだわるエンジニアを有するベトナムを開発拠点に選んだ」と話す。

開発期間は2年、その半分は教育に

image 受諾開発をしていないサイボウズは、第三者に見せる技術文書を用意していなかった。「テストの仕様書や技術文書を作り直した」と佐藤氏

 サイボウズはベトナム人のエンジニアの教育に1年を費やした。3カ月の座学では製品の開発に使うPHPなどのWeb技術を教えこみ、残りの期間は製品のサンプルを実際に開発してもらうOJTを採用した。

 「コードはコピーせずに自分で書くこと」「作ったコードを家に持ち帰らない」――教育期間では、開発における基本事項を徹底的に学んでもらった。日本では前提ともいえるこれらの考えだが、ベトナム人には通用しない。「かつて日本がそうだったように、開発について何も知らない状態」(佐藤氏)だからだ。

 ベトナム人は勤勉で日本人と働きたいという意識が強く、「非常にまじめな国民性」(佐藤氏)だ。だが、開発の現場ではそれが裏目に出ることもある。まじめであるがゆえ、間違ったことに耐えられなくなり、「軽く注意をしたくらいでも、ショックを受けて辞めてしまう」という。

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