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» 2008年07月05日 17時41分 UPDATE

洞爺湖サミット迫る:グリーンITを取り巻くさまざまな動き (1/3)

最終回となる今回は原点に立ち返ってグリーンITの定義を再確認する。その後、大手ベンダーや各種団体の活動内容などについて整理していく。

[岩上由高(ノークリサーチ),ITmedia]

 最終回となる今回は原点に立ち返ってグリーンITの定義を再確認する。その後、大手ベンダーや各種団体の活動内容などについて整理していく。

グリーンITの定義

 「グリーンIT」とは何なのか? 実は2つの定義がある。「ITを活用した環境保全や省エネへの取り組み」と「IT自身の環境保全や省エネに対する取り組み」の2つだ。

 前者の「ITを活用した環境保全や省エネへの取り組み」は、IT活用によって産業活動をより効率化し、結果的に環境保全や省エネに役立てようとする試みである。具体例としては以下のようなものが挙げられる。

  • 文書のデジタル化による紙資源の節約
  • ユニファイドコミュニケーションの活用による在宅勤務や遠隔会議の実現、ヒトの移動を少なくする
  • 制御システムの最適化を図ることで生産プロセスや物流搬送における無駄をなくし、エネルギー消費低減を図る

 後者の「IT自身の環境保全や省エネに対する取り組み」は、ITそのものが環境保全や省エネに与える影響を考え、その影響を可能な限り軽減しようという試みである。実体を持ち、実際に電力を消費するIT関連機器(ハードウェア)が主な対象となる。IT関連機器には製造、流通、利用、廃棄といった一連のライフサイクルが存在し、それぞれの段階で考慮するポイントが異なってくる。

  • IT機器製造及び流通段階

 この段階における考慮点は一般の製造業とほぼ同様となる。構成部品を極力再利用可能にするようなモジュラー設計の採用、製造プロセスの効率化、製造拠点の適切な配置による輸送コストの低減などが挙げられる。

  • IT機器利用段階

 この段階での考慮点はIT機器の消費電力低減である。地球温暖化を抑制するためには消費電力低減に向けての努力が欠かせない。近年IT機器の消費電力増加が大きな課題となっている。IT機器の消費電力をいかに抑えるかは、地球温暖化対策の最も重要なポイントの1つといえる。このIT機器利用段階における考慮点はその実施場所からさらに以下の二点に分けられる。

ユーザー企業内の利用

 個々の社員が使用するクライアントPCおよびサーバルーム内に設置された自社内運用サーバなどが主な対象となる

データセンター内の利用

 データセンターに設置されたサーバおよび空調や電力供給といったデータセンター自体の諸設備が主な対象となる

  • IT機器廃棄段階

 IT機器を廃棄する段階で発生する廃棄物に関する考慮点である。IT機器は半導体やバッテリーなど地球環境に悪影響を及ぼす有害物質が数多く含まれている。廃棄ルールやリサイクルの仕組みを整備することで、本来エネルギー消費低減に役立つはずのIT機器が地球環境を汚す原因とならないように配慮することが重要である。

 昨今グリーンITといった場合には後者の「IT自身の環境保全や省エネに対する取り組み」ことを指すケースが多いようである。中でもIT機器利用段階を対象とする話題が多い。企業や一般家庭におけるIT活用が拡大し、全電力消費に占めるITの割合が急増している状況を踏まえれば、当然の流れといえる。

 第1回で取り上げたグリーンITは後者の「IT機器利用段階」における「ユーザー企業内利用」に関するトピックである。最近では※1「オフィスでの消費電力をいかに抑えるか」と、※2「データセンターの設備をいかに効率化するか」という2つがグリーンITの最もホットなトピックとなっている。

greenit31.jpg 定義1「ITを活用した環境保全や省エネへの取り組み」と定義2「IT自身の環境保全や省エネに対する取り組み」
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