コラム
» 2008年07月08日 18時28分 UPDATE

公式声明を発表:Yahoo!買収でアイカーン氏と手を組んだMicrosoft――その狙いとは (1/2)

Microsoftはその狙いを明らかにした。億万長者アイカーン氏と手を組んでYahoo!の息の根を止めることだ。同社の新たなプランとは、取締役会のクーデターによってYahoo!の検索事業を手に入れるというものだ。

[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは7月7日に発表した公式声明の中で、「この1週間、MicrosoftとYahoo!との間の合意形成の可能性についてカール・アイカーン氏と話し合う機会があった」ことを明らかにした。その合意とはおそらく、MicrosoftがYahoo!のコア検索技術の買収につながるものだろうが、わたしが以前から指摘しているように、これはYahoo!を骨抜きにするものだ。

 億万長者の乗っ取り屋アイカーン氏は、別の書簡の中で自身の見解を示している。

 「わたしはこの1週間、Microsoftのスティーブ・バルマー氏と何度も話し合った。1時間に及ぶこともあった。ケビン・ジョンソン氏などのMicrosoft上級幹部が会合に同席したこともあった。われわれの話し合いは業界全般に関する話題が中心だったが、Yahoo!とMicrosoftの提携の可能性という重要な問題についても話し合った」

 この声明は明らかに、Microsoftが舞台裏で画策していたことを示すものだ。結局、スティーブ・バルマーCEO率いる同社は、それほど潔くはないのだ。Yahoo!とプロキシーファイト(委任状争奪戦)をしないというMicrosoftの以前の決定は、冷静な判断のように思えた――Microsoftは買収提案を取り下げ、これ以上争わないと決めたのだ。

 スティーブが5月3日に送付したYahoo!買収提案取り下げの書簡には、次のように記されている。「今週行われた話し合いの内容をよく検討した結果、Microsoftが貴社の株主に直接オファーを出すのは賢明ではないことが明らかになった。このアプローチは、必然的に長期間に及ぶ委任状獲得合戦、そして最終的に株式公開買い付け提案につながるものだ。貴社との交渉の結果、貴社は当面、MicrosoftにとってYahoo!が買収対象としてふさわしくないようにする手段を講じるだろうと判断するに至った」

 しかしこれは必ずしも真実ではない。カール・アイカーン氏はそのとき既に前面に登場し、何らかの動きに出る姿勢を示していた。Microsoftの幹部もそれを知っていたはずだ。ひょっとすると、アイカーン氏から接触があったかもしれない。Microsoftは醜いプロキシーファイトにかかわる必要はなかった。カールがほかの企業に対してそうしたように、その役割を再び演じるつもりだったのだから。

 ここにきて、両サイドは再び話し合いを行っている。それも互いに相手と交渉しているだけではない。Microsoftの7月7日付の書簡は、明らかにYahoo!株主の目を意識したものだ。カール・アイカーン氏は、プロキシーファイトによる取締役会クーデターを組織化するのに株主の票を必要としているのだ。Microsoftの書簡の抜粋を以下に記す。

 「昨年前半に交渉を行い、今年の1月31日以降も交渉を行ってきたが、受け入れ可能な条件でタイムリーにYahoo!の現在の経営陣および取締役会と合意に至ることができなかった。われわれは彼らとの合意に達することは不可能だと判断した。しかしYahoo!取締役選挙の後で、MicrosoftはYahoo!との重要な取引について新しい取締役会と交渉する用意がある。この取引とは、巨額の財務保証によってYahoo!の検索技術を買収するか、代替案として同社全体を買収するというものである」

 Yahoo!の株主がMicrosoftとの取引を望んでいるのであれば、取締役会の刷新が必要だ。わたしの考えでは、これはYahoo!の株主にとって長期的に損になる取引だ。彼らが最も得をするケースとはMicrosoftによる全面的な買収だろうが、これはMicrosoftにとっては損だ。Yahoo!の検索技術だけを買収するのはMicrosoftにとって得になるが、長期的にはYahoo!にとって損になる。同社にとって検索はあらゆる事業展開の中心軸なのである。Yahoo!から検索技術を取り上げれば、同社は痛ましい崩壊の道をたどることになるだろう。

 Microsoftの書簡にある、次のくだりには笑えてしまう。

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