Google GearsでRuby on Railsをオフライン化(1/2 ページ)

Google GearsのGears on Railsプロジェクトによって、Ruby on Railsアプリケーションのオフライン化が可能になる。

» 2008年07月17日 08時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Google GearsのGears on Railsプロジェクトによって、Ruby on Railsアプリケーションのオフライン化が可能になる。これを受けて、先進的な開発者たちの間では、従来と異なるユーザー向けにGearsを提供しようという動きが出てきた。開発者たちは、Google GearsをRuby on Railsのオフラインサポートやクライアントサイドの検索エンジンなど、興味深い用途に広げつつある。

 ニューヨーク大学の情報システム・マスタープログラムを最近終了したばかりのマイケル・マーカス氏とルイ・マー氏が「Gears on Rails」と呼ぶ開発フレームワークを設計した。Google Gearsは、オフラインで実行可能なWebアプリケーションを開発できるオープンソースのブラウザ拡張機能だ。そしてGears on Railsは、Google GearsをRuby on Railsにプラグインし、Ruby on Railsのコードベースをオフライン化するためのオープンソース・プロジェクトである。

 このプロジェクトについて、Googleのエンジニアであるディオン・アルマー氏は、ブログの中でこう書いている。

 「Gears on Railsは、開発者がGearsのことを知らなくてもGearsをベースに完全なオフライン対応のWebアプリケーションを記述できるよう手助けする。重要な点は、Gears JavaScript APIそのものをドロップダウンしなくても、ローカルのやり取りを処理できるRailsアプリケーションを構築できることだ」

 アルマー氏はまた、マーカス氏とマー氏にインタビューしており、その中でマー氏はGears on Railsについて、「開発者がGearsやそのほかの新しいテクニックを学ばなくても、Webサイトのオフラインバージョンを構築できるようにすること」が目的の機能検証(proof-of-concept)プロジェクトだと説明している。

 そうした目的を実現するために、「2つの重要な作業を行った」とマーカス氏はポッドキャストで配信されたGears on Railsチームのインタビューの中で述べている。

 「われわれは可能な限りネイティブのRailsコードでGearsのJavaScript部分を構成した。またJavaScriptサイドでは、シンタックスがRubyによく似たAPIを作成することで、開発者が記述しなければならないJavaScriptを非常に簡単で習得しやすいものにした」

 Gears on Railsを利用する開発者は、サーバとクライアント間のデータ同期やデータベーススキーマのアップデートについて心配する必要がないとマー氏は言う。「なぜなら、われわれのフレームワークがデータベースの同期やGoogle Gearsマニフェストファイルの生成といった基盤部分をケアするからだ。開発者はRubyライクなJavaScriptを記述するだけでよく、あたかも従来のRuby on Railsを使っているかのように、これまで積み重ねた開発経験をフォローするだけでいい」

 環境の現行ステータス――-すなわちオンラインかオフラインか――-を検出するメカニズムを開発したことにより、「フレームワークがオンラインからオフランバージョンへスイッチできるようになった」とマー氏は説明する。

 またマーカス氏によると、Gears on RailsはRailsのREST(Representation State Transfer)機能を活用し「サーバサイドになにも追加することなく、同期化を実行できる」という。

 「開発者に依存するのは、コントローラーやビューのローカルバージョンを書いてもらうことだけだ。基本的には、サーバサイドにおいてRubyでやっていることを、そのままローカルサイドにおいてJavaScriptでやってもらえばよい」と同氏。

 さらにマーカス氏は、Gears on Railsが「JavaScript経由でRESTフルなコールを実行できる」Jesterと呼ばれるフレームワークを利用している点に言及し、「JavaScript経由でデータベースのレコードを作成、編集、破棄できるのは、そのフレームワークがベースにあるからだ」としている。

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