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» 2008年08月06日 00時35分 UPDATE

Linux Hacks:xfs_fsrを使ってXFSファイルシステムをベストの状態で使用する (1/2)

大規模なファイルの保存/アクセスで性能を発揮するXFSファイルシステム。フラグメント化したファイルをデフラグするユーティリティ「xfs_fsr」を使えばシステムの性能を向上させることができる。

[Ben Martin,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 XFSファイルシステムは大規模なファイルの保存/アクセスについての性能が高いことで知られている。XFSの設計はエクステントベースで、ファイルの内容は1つ以上のエクステントと呼ばれる連続的な領域内に保存されている。XFSファイルシステム内のファイルは、ユーザーの使い方によってはフラグメント化することがあるが、xfs_fsrユーティリティを使ってそのようなファイルをデフラグすることでファイルアクセスについてのシステムの性能を向上させることができる。

 ファイルをXFSファイルシステム上にコピーすると、通常は1つのエクステント内にファイルの全内容が保存される。しかしその後ファイルを延長したり新たなデータで内容を書き換えたりしようとする際には、ファイルの直後に続く領域が利用できないこともある。その場合、ファイルはディスク上の別々の場所にある2つのエクステントに分かれて保存されることになる。当然ながらファイルにアクセスするアプリケーションはこのことを考慮する必要はなく、ファイルの最初から最後まで、線形に連続した領域の場合と同様に内容を普通に読み取ったり、lseek(2)でファイル内を移動したりできる。しかしファイルの内容がディスク上の多数のエクステントに分散して保存されていると、性能的には劣る。

 xfs_bmapユーティリティを使えば、XFSファイルシステム上に保存されている特定のファイルのエクステントについて知ることができる。-vオプション(詳細モード)をつけて実行すれば、ファイルの各部分がファイルシステム内のどのブロックにマッピングされているかが分かる。以下に示したファイルの場合、運悪く300Mバイトのtarファイルが2つのエクステントに分割されてしまっている。

# xfs_bmap -v sarubackup-june2008.tar.bz2

sarubackup-june2008.tar.bz2:

 EXT: FILE-OFFSET       BLOCK-RANGE          AG AG-OFFSET           TOTAL

   0: [0..350175]:      264463064..264813239 10 (2319064..2669239) 350176

   1: [350176..615327]: 265280272..265545423 10 (3136272..3401423) 265152


 一方xfs_dbユーティリティを使えば、ファイルシステム全体のフラグメント化の状態を見ることができる。その際-rオプションを使えば、読み取りのみが可能なモードで操作が行われるので、マウント済みの使用中のファイルシステム上でも使用できる。とはいえファイルシステムを実際に変更するつもりがない場合にはいずれにしろ-rをつけておいた方がおそらくよいだろう。xfs_dbのfragコマンドを実行すると、ディスクが数秒間動いた後、ファイルシステムのフラグメント化の状態を以下のように表示する。

# xfs_db -r /dev/mapper/raid2008-largepartition2008

xfs_db> frag

actual 117578, ideal 116929, fragmentation factor 0.55%


 xfs_fsr(1)プログラムは、Fedora 9やDebianベースのディストリビューションではxfsdumpパッケージの中に含まれている。これは残念なことだ。というのもxfs_fsrは非常に便利なツールなのにもかかわらず、xfsdumpの中に含まれていることで、mkfs.xfsと一緒にxfsprogsパッケージに入っている場合と比べてインストール/使用される機会が大きく減ってしまっているためだ。xfs_fsrはXFSファイルシステムのデフラグプログラムで、マウント中のXFSファイルシステムをデフラグするためにcronジョブとして定期的に実行するのに向いている。

 xfs_fsrの使い方は2通りある。制限時間を指定して実行すると、システム上のすべてのXFSファイルシステムを対象として、各ファイルシステム上で最も激しくフラグメント化されているファイルの幾つかを最適化する。あるいは、特定のXFSファイルシステムやXFSファイルシステム上の特定のファイルを明示的に指定して実行することもできる。xfs_fsrに制限時間を指定して実行した場合、その制限時間の終了時には実行した内容についての情報が/var/tmp内のファイルに保存されるため、次回再び制限時間を指定して実行した際には、作業は同じ場所から続行される。そのためcronジョブとして実行して、マシンをあまり使用していない時間に毎日少しずつ最適化を行うようにすることも可能だ。

 xfs_fsrはファイルを最適化する際、フラグメント化している既存のファイルのコピーを元のファイルよりも少ない数のエクステント(フラグメント)を使用して新たに作成する。そしてファイル内容が新しいファイルにコピーされた後、新しいファイルが古いファイルと置き換わるようにファイルシステムのメタデータが更新される。これは言い換えれば、デフラグしたいファイルをまるまるもう1つ保存するために十分な空き領域がファイルシステム上に存在していなければならないということだ。なお空き領域が必要であるということはディスクのクォータにも当てはまり、ファイルのコピーをまるまる保存しようとするとそのファイルの所有者であるユーザーのディスククォータを越えてしまう場合にはデフラグすることはできない。

 制限時間を指定して実行するとxfs_fsrはデフォルトではシステム上のすべてのXFSファイルシステムを対象とするが、その際、(実際に問題になる可能性は非常に低いものの)幾つかの問題が起こる可能性がある。例えばLILOのようにディスク上の固定位置に設定ファイルがあることを前提としているブートローダを使用している場合、xfs_fsrでデフラグしたためにそのファイルが移動してしまい、その仕組みが機能しなくなる恐れがある。そのような場合には、xfs_ioコマンドを使って特定のファイルやディレクトリに対してno-defragという特別なフラグをつけることで、xfs_fsrがそのようなファイルをデフラグしてしまうのを回避できる。なおno-defragをディレクトリに指定した場合には、no- defragが指定されたディレクトリ内のファイルやディレクトリについてはno-defragフラグが継承される。xfs_fsrのマニュアルページに、no-defragフラグについてのより詳しい情報や設定方法がある。

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