キロキロとヘクトデカけたSI接頭語――最大単位はヨタ今日から使えるITトリビア(1/2 ページ)

メガ、ギガなど、すでに一般化した「大きさ」の桁を示す単位。とくにストレージのメディア容量を示すものとして多く用いられるが、本来はコンピュータに限る用語ではない。

» 2008年08月09日 08時00分 公開
[吉森ゆき,ITmedia]

ハードディスクはテラの時代。では、テラはだれが決めた?

 店頭で販売されているハードディスクの容量は、年を追うごとに増加の一途をたどっている。つい最近も、1Tバイトの内蔵用HDDが1万円を切る価格で販売され、いよいよギガからテラの時代に入るとして話題になった。

 そのギガやテラという単位、コンピュータの世界ではおなじみだが、そもそもどのようにして決まったものなのだろうか。これらは実は、計量標準単位の世界統一を目指したメートル条約と深い関係にあり、国際度量衡局(BIPM)が定めているものなのだ。

 BIPMでは、長さを表すメートル(m)、重さを表すキログラム(kg)、時間を表す秒(s)、電流を表すアンペア(A)などの7つを国際単位系(SI)基本単位としている。また、SI基本単位を使って表すことのできるもののうち、固有名称と独自記号を持つ単位をSI組立単位とし、例えば周波数を表すヘルツ(Hz)、圧力を表すパスカル(Pa)など22の単位が定められている。

 このように定められた単位を使って数値を表す場合、何桁もの大きい数値、または小数点以下何桁もゼロが並ぶ小さい数値になると、正確に理解することが難しい場合がある。そこで実用的な数値になるように、10の整数乗倍の単位にするための「SI接頭語」というものが考えだされた。これが、ギガやテラである。つまり、ギガやテラは、正確には単位ではなく、単位を補助するものなのだ。

 昔は、このSI接頭語を覚えるために「キロキロと ヘクト デカけたメートルが デシに追われて センチ ミリミリ」という暗唱文を教わったものだが、BIPMが定めるSI接頭語は全部で20。基本単位には接頭語はなく、デカ(da)が10、ヘクト(h)が100、キロ(k)が1000を表している。同様にデシ(d)が0.1、センチ(c)が0.01、ミリが(m)0.001だ。ここまでは義務教育で教わったはず。キロよりもマクロなけたについてはコンピュータ用語として習い、ミリよりもミクロなけたについては物理や化学で習ったという人が多いだろうが、今回はコンピュータにお馴染みの、マクロなけたを紹介しよう。

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