IT業界で働く人の勤務形態について学んできた江水君。今回は売り上げ別の事業所数と地域分布の相関関係を教わることに。江水くんの「Uターン転職の夢」はかなうのだろうか?
冠里さん 江水君、前回の話はどうでしたか?
江水君 とても勉強になりました! データからはいろいろなことが読み取れますね。
冠里さん 前回は従業員数について学びました。今回は、事業所数を見てみましょう。図1は、業界別の事業所数の比較です。
江水君 あれ?
冠里さん 何か気付きましたか。
江水君 前回の記事では、ドラッグストアの業界は従業員数が少なかったように記憶しています。でも、事業所の数はやたらと多いですね。
冠里さん 良い指摘です。それは、ここで見ている業界のうち、食品業界、化学業界、鉄鋼業界、アパレル業界がいずれも広い意味での製造業であるのに対して、ドラッグストアだけは小売業だからなのです。つまり、小売業の場合、製造業と比較して、1つの事業所、つまり店舗にいる従業員の数が圧倒的に少ないのですよ。
江水君 でも、製造業も中堅以上の企業規模であれば、うちみたいに、いわゆる支社を持っていますよね。そういう支社は一般に従業員数が少ないのではありませんか。
冠里さん はい。ただIT業界の場合、図2から分かるように、支社数がそれほど多くないのです。
江水君 本当だ! 本社の数が約1500なのに対して、支社の数が約1800と、ほとんど変わりませんね。
冠里さん うちが福井本社と東京支社の“2極体制”を取っているように、IT業界の場合、場所に依存した開発を行う必要はありません。営業やリクルーティング目的で支社を置く以外、生産拠点を増やす必要性はあまりないのです。
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