GoogleがAndroidの新SDKとロードマップをリリーススマートフォンを11月10日に発売(1/2 ページ)

Googleはアプリケーションの開発を促進すべく、同社のモバイルOSであるAndroidのSDKならびにAndroidの最初のロードマップを公開した。SDKの発表と同じ日に、Androidベースのスマートフォン「HTC Dream」が開発中であり、11月10日にリリースされるというニュースも飛び込んできた。

» 2008年08月20日 09時16分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 GoogleのAndroidチームは8月18日、「Android」SDK(ソフトウェア開発キット)の新しいβ版(バージョン0.9)をリリースするとともに、このLinuxベースのOSの開発ロードマップを発表した。これは技術と開発プロセスの両面で大きな前進となるものだ。

 SDKの発表と同じ日に、最初のAndroidベースの携帯電話となる「HTC Dream」の外観図がEngadgetやVentureBeatなどのブログサイトに紹介される一方で、連邦通信委員会は同端末の11月10日の発売を承認した。

 特に重要なのは、7月に開発者の間から批判が噴出した後に今回のSDKがリリースされたことだ。Androidアプリケーションを開発しているプログラマーたちは、Android Developer Challengeコンテストに勝ち残った50組にしかAndroid SDKのβ版が提供されなかったことに不満を表明していたのである。

 この扱いは差別的だとして異議を唱えたプログラマーの中には、自分のコーディングスキルをAppleのiPhoneやそのほかのスマートフォンに注ぎ込むと宣言した人もいた。

 この状況は、GoogleのAndroidプロジェクトにとって深刻な障害になる恐れがあった。同社は、iPhoneや、Nokia、Research In Motion、Palm、Microsoftなどのデバイスに対抗して、モバイル広告/アプリケーションの分野で地盤を拡大することを目指しているからだ。

 Androidの開発スケジュールをめぐる不透明性に対して不満を訴える開発者もいた。この問題は、8月18日の発表で解消されたといえる。GoogleのAndroid開発推進担当者、ダン・モリル氏は「SDKのβ0.9は、1.0との互換性に向けたSDKの道のりにおける最初の大きな一歩である」とブログ記事に書いている。さらにモリル氏は次のように付け加えている。

 「これはβリリースであるため、このSDKを使って開発されたアプリケーションは、最終版となるAndroid 1.0で動作するデバイスと必ずしも互換性があるとは限らない。しかし現時点でAPIは非常に安定しており、今後、大きな変更はないと思われる。もしあなたが、より成熟したSDKを待っていた多くの開発者の1人であるならば、今回はもう一度検討する良い機会かもしれない」

 Googleはプログラマーたちに開発の道案内をすべく、開発ロードマップも発表した。

 Googleはその中で一連のリリース予定を再確認している。Android 1.0 SDKリリース1の提供予定は2008年7〜9月期または10〜12月期、最初のAndroid 1.0デバイスの提供は同10〜12月期、ソースコードのリリースも同10〜12月期となっている。

 ロードマップの詳細はあまり示されていないが、Androidチームがこの数カ月、秘密主義を貫いてきたために、同チームが全面的な情報開示というオープンソースの伝統を否定しているのではないかというプログラマーたちの懸念は緩和されそうだ。

 SDKそのものについていえば、変更点は多数にわたる。モリル氏によると、1.0のユーザーインタフェースの変更に伴う新しいHome画面、Eclipseユーザーのために用意されたXMLレイアウト用確認用のグラフィカルプレビューなどの新しい開発ツール、9-patch形式の画像を構成するためのツールなどが主な変更点だ。

 またAndroidチームは、セキュリティ上の理由から、GTalkServiceとBluetooth APIを削除した。そのほかの変更点についてはリリースノートを参照していただきたい。

 全般的に見れば、プログラマーは今回の作業に満足できるものと思われる。不満が残るプログラマーにとっては、Androidをめぐる雰囲気が再び大きく変化するまで待つという手もある。

 Googleは6月、Androidに関する悲観的な報道の集中砲火を浴びた。きっかけは、Googleとパートナー各社が、Androidベースの携帯電話の生産開始期限としていた10〜12月期に間に合わないだろうとWall Street Journalが報じたことである。

 Googleはこれらの延期報道を強く否定した。しかしその2週間後には、GoogleのAndroidチームはSDKのリリースをめぐる不公平な扱いで批判を受けた(この批判は正当だと思える)。

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