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» 2008年09月10日 08時00分 UPDATE

VMwareだけじゃない:仮想化技術を軸にブレードサーバを選んでみる (1/2)

ブレードサーバは仮想化に適したプラットフォームとして注目が高い。IA以外の環境での仮想化に対応するIBMやサン、仮想環境でのNT4.0サポートを表明する富士通、独自の仮想化機構を作り上げた日立など、各社の戦略にも特徴がある。

[大神企画,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「ブレードサーバでグリーン&仮想化」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


普及が加速するサーバ仮想化

 かつてのコンピュータは、ハードウェアとソフトウェアがワンセットで動作していた。しかし、余力のあるコンピュータリソースを使わないのはもったいないという発想から作られたのが、パーティーショニングという技術だった。これは、1つのコンピュータで複数のOSを実行し、仮想的に複数のコンピュータがあるのと同様に利用できるもので、メインフレームやUNIXサーバなどのエンタープライズサーバで一般化していった。このパーティーショニングはまさに、現在のIAサーバの仮想化につながる原型になっている。

 IAサーバでは、アーキテクチャ上の制約から仮想化を実現することは難しかった。ところが、VMwareやVirtual PCなどのエミュレーション技術が発展し、コンピュータ上に仮想マシンを作って、そこで業務システムを稼働させる仮想化へと進化していった。そうした時代の流れに呼応するように、IAサーバでもIntel VT、AMD-Vといった仮想化をサポートするハードウェア技術が登場。さらに、プロセッサのマルチコア化によって、1つのプロセッサで複数のプロセスを実行させやすくなってきた。今は、サーバ仮想化技術にはコンピュータの物理台数を削減し、消費電力や発熱、管理工数などを軽減するメリットがあると考えられている。これにより、サーバ仮想化は急速に普及しつつある。

 今、サーバ仮想化の最適なプラットフォームとして注目されているのが、ブレードサーバだ。サーバ仮想化だけならば、ラックマウント型やタワー型など、ほかのサーバでも可能だが、ブレードサーバは消費電力と発熱の低減、省スペース性、管理性などの面で仮想化という考え方と相性が良いからだ。

対応が分かれる仮想化ソフトウェア

 ブレードサーバで仮想化を実現する際、必要不可欠なのが仮想化ソフトウェアだ。IAサーバの仮想化ソフトウェアは、前述したようにそもそもエミュレータから出発している。エミュレータは、あるハードウェア上に別の種類のコンピュータを仮想的に作って動かそうというものだ。VMwareもVirtual Serverも、そこがスタートだった。

 その後、仮想化ソフトウェアの技術が発展し、エンタープライズサーバのパーティーショニングと同様、業務アプリケーションの利用に耐え得る仮想環境へと成長した。中でもサーバ仮想化に早くから注目し、管理性や可用性を高める機能を充実させていったVMwareは、仮想化ソフトウェアのデファクトスタンダードとして認められる存在となっていった。

 現在、サーバベンダーは例外なくVMwareと協業関係にあり、ブレードサーバとVMwareによるサーバ仮想化ソリューションを提案している。また、VMwareによる仮想環境とブレードサーバの管理ツールを組み合わせ、物理マシンと仮想マシンをシームレスに管理できる環境を用意しているベンダーもある。

 HPでは、VMwareの「VMotion」と「HP Systems Insight Manager」を組み合わせ、負荷の高い仮想マシンのシステムを停止せずに、物理マシンへ自動的に運用できる機能を提供している。また、物理マシンと仮想マシンを同じコンソールから一元的に管理できる「Virtual Machine Management Pack」も、HPならではの機能だ。

HP BladeSystemのVirtualization Manager HP BladeSystemのVirtualization Manager

 NECも「SigmaSystemCenter」がVMware環境をサポートしており、複数のブレードサーバ上で稼働する仮想マシン環境を一元管理できる。なお、SigmaSystemCenterではVMware以外の仮想化ソフトウェアであるマイクロソフト「Hyper-V」、シトリックス「XenServer」などの仮想マシンも、将来的にサポートする計画だという。

 富士通では、VMwareによるサーバ仮想化のプラットフォームを提供するだけでなく、システム設計から運用支援までのワンストップソリューションを提供している。旧サーバの統合・マイグレーションを進めるために、VMwareで稼働するWindows NT 4.0を2010年までサポートする取り組みを行っている。

NT 4.0のサポート計画 ベストエフォートではあるが、富士通は仮想環境上のNT 4.0を独自にサポートする計画だ

 Windows以外が稼働するブレードサーバをラインアップするIBMやサンは、Windows環境ではVMwareを中心とする仮想化ソフトウェアをサポート。UNIX環境では、IBMの「PowerVM」、サンの「Solaris Container」など、それぞれのパーティーショニング技術を利用して仮想化に対応している。

 デルも現状はVMwareが中心のソリューションを、コンサルティングサービスも含めて提供している。ただし、デルの場合はVMwareだけでなく、Hyper-V、XenServer、さらにOracle VMなどさまざまな仮想化ソフトウェアへの対応も表明。仮想化ソフトウェアの違いを意識しないサーバ仮想化環境を提供するという方針だ。

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