特集
» 2008年09月25日 08時00分 UPDATE

BT、CGM、SNSは三種の神器:CRM2.0の課題と使いこなし術 (1/3)

テレビドラマの公式サイトには掲示板が置かれ、視聴者や番組制作者がストーリーの感想や出演者の演技などについて活発に意見を交換している。CRM2.0を成功させるためのヒントがここにある。

[岩上由高(ノークリサーチ),ITmedia]

この記事はオンライン・ムックCRMの新潮流のコンテンツです。


 連載の初回で述べたように、CRM2.0とは「インターネット上のWebサイトで培われた技術を活用した新しい形態のCRM」を指す。従来型CRMでは顧客や営業がデータ入力の負担を強いられていた。CRM2.0では次のような要素を活用することにより、負担を軽減もしくは解消できる。

  • BT(行動ターゲティング)
  • CGM(Consumer Generated Media)
  • SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

 しかしながら、これらの要素を単に取り込めばCRM2.0の恩恵を得られるかというとそれほどバラ色な話ではない。今回はCRM2.0の実践における課題と解決方法を考える。

BTが抱える課題とその解決方法

 まずはBTに関連した課題を考えてみる。従来型CRMでは顧客に自身のプロフィール情報を入力させ、それに基づいた情報提供などを行っていた。だが、きめ細かな情報を提供しようとすると詳細なプロフィールが必要となり、それだけ顧客に入力負担を強いることになる。顧客が入力したプロフィールは時とともに陳腐化し、顧客の嗜好を正確に反映したものではなくなってくる。顧客が自覚していない潜在ニーズをくみ取ることも難しい。

 「それを解決できるのは顧客のWeb上での行動履歴データを蓄積する行動ターゲティングの手法である」というのが、CRM2.0におけるBT活用の基本的な考え方である。

 しかし、ユーザーの行動履歴を取得するのは簡単ではない。目的のためにソフトウェアをユーザーのPCにインストールすれば細かい情報まで取得できるが、それでは「スパイウェア」と同じだ。現時点ではブラウザのCookieを使うのが現実解といえるだろう。実際、現在実施されているBTによるマーケティングの多くはブラウザのCookieを利用している。

 ブラウザのCookieは複数のWebサイトで共有できない。したがって、1つのCookieにひも付いて取得できる行動履歴はそのCookieを発行したWebサイトに限定されてしまう。これではBTの効果も半減してしまう。この問題を解決するために現在のBTを活用したマーケティングサービスでは行動履歴を取得するサイト(プロバイダー)と行動履歴に基づいた広告を掲載するサイト(ディストリビュータ)の間をBTサーバが仲介することで問題を解決している。

noricrm.jpg 図1 行動ターゲティングによる広告コンテンツ表示の仕組み

 つまり、どんなに優れたCRMパッケージを駆使ししても、単体のWebサイト上のサービスだけでは本当に効果のあるBTを実践することはできないわけである。CRM2.0は単体パッケージで実現するものではなく、社外のサービスと連携して初めて真価を発揮する。したがってBTを実現するCRM2.0プロダクトは、BTサービスを提供するSaaSと組み合わせて提供されるのが本来の姿ということになるのである。

 インターネット上のサービスと融合した形のCRMソリューションを実現できるかが、BTを活用したCRM2.0実践の成否を分けるといえる。営業日報入力の負担を強いられる営業に関しても、BT活用は1つの解決策を提示する。これについてはSNSと合わせて最後に述べることにする。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -