フォーティネット、UTMの次期戦略を説明

フォーティネットジャパンは、UTM新製品と今後の事業戦略を説明した。

» 2008年10月21日 08時15分 公開
[ITmedia]

 フォーティネットジャパンは10月20日、通信事業者向けなどのUTM(統合脅威管理)新製品の発表と事業戦略の説明を行った。セキュリティ専業サービスの普及を促す製品展開や新技術規定「SCAP」の導入促進を図るとしている。

坂本氏

 同社では前社長の岡本吉光氏の定年退職に伴い、10月から経営責任者(極東アジア担当)に米Fortinetチーフストラテジスト(主席戦略担当者)の坂本明男氏が就任した。同氏は、Fotinetが8月に技術などを購入したデータベースセキュリティ米IPLocksの創設者兼CEOを務めた。

 今回発表した新製品は、通信事業者向け「FortiGate-5000」シリーズの「5001A-DW/SW」と「RTM-XB2」、中小企業向けUTMの「FortiGate-110C」となる。

 5001A-DW/SWは、ギガビットイーサ対応のモジュラーシャーシに搭載するブレード製品。RTM-XB2は、10Gbpsのファブリック接続など可能にするための拡張用インタフェースだ。5001A-DW/SW単体ではファイアウォールスループットが最大2Gbpsだが、RTM-XB2を利用して拡張ボード「ATCA」を併用することにより、同15Gbpsまで高められる。FortiGate-5140シャーシに実装した場合は同184Gbpsになるという。

 FortiGate-110Cは中小企業向けUTM製品のミドルレンジモデル。500Mbpsのファイアウォールスループットや100MbpsのIPSec VPNスループットなどの性能を持ち、10/100イーサネットポートを8基搭載する。いずれも9〜10月にかけて販売代理店から順次出荷されている。

FortiGate-110C

 坂本氏は、今後の事業展開についてデータベースセキュリティ技術の統合と、新たなセキュリティ技術基準「SCAP(Security Content Automation Protocol)」の普及を推進すると表明した。データベースセキュリティでは、IPLocksおよび9月に買収した米Secure Elementの技術統合し、データベースの脆弱性検査や監査などの機能を「Forti DB」の名称で展開する。

 SCAPはXMLを利用して脆弱性管理や評価、ポリシーおよびコンプライアンスを自動化するための技術基準。5年ほど前から同社などが中心となって米国で標準化を提唱している。最近では米国政府機関が調達要件に採用しつつあるという。

 坂本氏によれば、SCAPはセキュリティサービスをコモディティ化するものという。セキュリティサービスの標準化を押し進め、さらには「MSSP」(Managed Security Service Provider)と呼ばれるセキュリティサービス事業者の普及も促すものだとしている。

 「SCAPにより、MSSPがセキュリティへの投資に制約のある中堅・中小企業のシステムを保護するサービスを提供できるようになり、ITシステム全体のセキュリティレベル向上が期待される」(同氏)といい、UTM製品と統合セキュリティサービスの普及を推進すると話している。

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