「セキュリティサービスの導入にはUTMを」とフォーティネット統合と仮想化でエコも

フォーティネットは、セキュリティサービスプロバイダーや大企業に向け、仮想化とシステムの統合化を図ることのできるUTM(統合脅威管理)を訴求する。

» 2008年06月13日 20時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 フォーティネットジャパンは6月13日、報道関係者を対象に説明会を開催。マネージドセキュリティサービスプロバイダー(MSSP)や大規模企業向けに、セキュリティ対策の統合化と仮想化を図られるUTM(統合脅威管理)の導入を提案すると表明した。

 UTMの老舗ベンダーのフォーティネットは、ウイルス対策やVPN、ファイアウオール、IPS(不正侵入防御)といった各種セキュリティ対策機能を1台のアプライアンスに集約した「FortiGate」シリーズを展開。UTM市場でトップシェアを持つ。これまでは中堅、中小企業を中心に顧客を獲得してきた。

アンドレーセン氏

 同社がUTMの新たな展開先として注目するMSSPや大規模企業は、マルチベンダー環境で個々のセキュリティ対策を組み合わせている場合が多い。米Fortinetのアジア太平洋地区販売担当取締役のエンス・アンドレーセン氏は、「進化を続けるサイバー犯罪に対処しつつも、企業はTCO削減や投資保護の観点から優れたセキュリティ対策を求めている」と話し、各種の対策機能を集中管理できるUTMアプライアンスが最適なソリューションになると説明した。

 Fortinetでは、各種の対策機能を1台のハードウェア上で実行できるようにする仮想化技術をFortiGateシリーズ全製品に展開し、あらゆる導入環境に対応できるとしている。特に大規模向けには、ユーザーまたはデバイスのグループごとにポリシーを管理でき、最大で3000ユーザーを管理できる。各種のセキュリティ対策機能も1社で統合的に提供できるため、最新の対策を効率的に導入できるメリットがあるという。

 アンドレーセン氏は、「全社員の半数が技術者であり、セキュリティとネットワークの両面でパフォーマンスの高いソリューションを提供できるのが強みだ」とアピールする。独自開発のASIC技術が要であるといい、ネットワークのスループットを維持しながらも、強固なセキュリティ基盤を構築できるとしている。

岡本氏

 近年は通信事業者がMSSPとして、自社のネットワークサービスにファイアウォールやアンチウイルスなどのセキュリティサービスを組み合わせて提供する機会が増加。今年に入り、NTTコミュニケーションズがフォーティネットのUTMを利用したサービスを開始したほか、このほど米Verizon Businessが導入を決めた。

 フォーティネットジャパンの岡本吉光社長は、「極端に言えば、異なるセキュリティ対策を個別に運用していくよりも、統合化されたUTMを活用すれば効率化だけでなく、環境対策にもつながる。UTMのメリットをぜひ知ってほしい」と語った。

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