news035.jpg

闘うマネジャー:複雑・怪異と思えた汎用機を丸裸に (1/2)

業務知識の世代交代を着実に行いダウンサイジングを実現するために、長崎県では一気に進めるのではなく、2期構成とし、OpenCOBOLを利用することにした。


職員が言語に求めるもの

 前回までの話で、情報の登録処理および出力処理はリライトとし、業務処理部分は後でと決まった。ダウンサイジングを一気に進めるのではなく、まずは図1の構成にしてしまう。つまり、長崎県庁では、ダウンサイジングを2期構成とし、第1期の目標を下図とし、業務処理部分のオープン系移行を第2期とした。

 第1期を用意することで、

  • 何枚も厚着をして、複雑・怪異と思えた汎用機が丸裸になり、行うべき作業が職員にとって分かりやすくなる。
  • 丸裸なる一方で、汎用機上の仕組みがスタンバイ状態で残るので、不意のトラブルのバックアップとなるだけでなく、失敗しにくいダウンサイジングとなる。
  • DBと汎用機上のファイルが、情報として整合する必要があり、その確認作業の過程で業務知識の世代交代が自然と行われる。

 汎用機連携などの苦労話は、次回以降にするとして、第2期にどう挑むかは難しい選択である。まずは言語の選択だ。

 ダウンサイジングをベンダーに丸投げするのなら、プロが扱う言語であるCやJAVAでいいのだろうが、「丸投げ=高価格」は今までの経験から明らかだ。この選択は誤りに思える。SEはプロであるがゆえに効率的な開発を求め、Cでポインターやオブジェクト指向を学ぶが、県の職員はどうであろうか。早くて美しいコードとか短いコードなんてまったく関係なく、コードに十分なコメントが入っていればOKで、あとはダサくても何でもいいから手早く業務をこなしたい。ただそれだけなのではないだろうか。ダウンサイジングをしていく上で、職員が言語に求めるものは、短時間で覚えられることと、新たなバグ取りが少ないことなのだ。

tatakau15.jpg 図1 ダウンサイジング作業第1期の構成

 筆者もそうであるが、SEは、新しい言語とか楽な言語が大好きである。PHPやRuby、Flexなどがまさにそうだ。逆に、古くてダサい書き方しかできない言語は嫌う傾向にある。ただ、仕事をするときは「古くてダサい」なんていわずに、「10年後、保守できるSEが多いとは思えない」と話をすり替えたり、「10年後、OPEN系のCOBOLが販売されているか極めて疑問だ」としたりする。SEはプログラミングが大好きで、大好きであるが故に、古くてダサい言語のために自分の貴重な時間を使いたくないというのが本音なのだ。

 ところで、COBOLはどれくらいの期間で習得できるだろうか。どうも、他の言語をすでに知っている場合、一週間も勉強すれば即戦力として仕事ができるというのが一般的であるらしい。古い言語なので、面倒と感じる面はあるものの、難しい言語ではない。言語はCOBOLのままで良い。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.




キャリアアップ



エンタープライズ・ピックアップ

news013.jpg ITmedia リサーチインタラクティブ 第5回調査:Google Appsへの期待が鮮明に――変わる企業の情報共有基盤
電子メールやスケジュール管理などの機能を持つコミュニケーションツールの入れ替え時期が迫っている。10年前に導入した企業が約4割に上り、今後の導入においてはGoogle Appsへの期待が高まっている。ITmedia エンタープライズとITRが実施した読者調査から、企業の情報共有基盤に対するニーズの変化を明らかにする。

news058.jpg 伴大作の木漏れ日:コンピュータ御三家、新社長の手腕
NEC、日立、富士通の「コンピュータ御三家」が、ここに来て相次いで社長人事を発表した。各社の思惑は何か。「グローバル化」「若返り」がキーワードになっている。

news014.jpg Weekly Memo:明らかになった富士通の野副前社長退任劇
2009年9月に富士通社長を辞任した野副州旦氏と富士通の間で、実は辞任ではなく事実上の解任に至った経緯や理由をめぐる激しい対立が先週来、表面化している。

news009.jpg ドジっ娘リーダー奮闘記:賛成? 反対? チャレンジ新境地
安定して仕事できるということは、その仕事が成長期を過ぎて衰退期に入っているのかもしれません。では衰退を防ぐためにはどうすれば良いのか、しんこちゃんと一緒に考えましょう。

news002.jpg 最強最速アルゴリズマー養成講座:アルゴリズマーの登竜門、「動的計画法・メモ化再帰」はこんなに簡単だった
動的計画法・メモ化再帰というと難しいアルゴリズムであるかのように聞こえますが、実際には小学生でも分かるほど簡単なアルゴリズムです。使用できるメモリと実行時間を意識しながら、同じ計算をする無駄を省くことができれば、かなりの実力者となれます。