コラム
» 2008年11月14日 10時11分 公開

闘うマネジャー:複雑・怪異と思えた汎用機を丸裸に (2/2)

[島村秀世,ITmedia]
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不具合時の検証作業が楽かどうか

 次は、どのCOBOLを使うかである。

 OPEN環境で動くCOBOLの選択肢は、

  • 汎用機と同じメーカーが販売するCOBOL(COBOL85 Pro)
  • 言語メーカーが販売するCOBOL(ACUCOBOL、Micro Focus COBOL)
  • オープンソースのCOBOL(OpenCOBOL)

 汎用機には、データ抽出やソートなどメーカー提供のプロダクトがさまざまな形で組み込まれている。プロダクトを含めてダウンサイジングするわけだから、汎用機メーカーに頼りたくなるが、これはしたくない。先の記事「ダウンサイジングに8年、その背景と理由」にも書いたが、筆者は、地場企業によるダウンサイジングの実践を目指しているからだ。それに、これらプロダクトは、オープン系から見ると極めて単純な商品で、DBを利用することにすれば簡単に実現できたりする。メーカーに依存したくなる気持ちを排除する意味も込めて、COBOL85 Proを選択肢から外した。

 検討当時、国内で最も実績があったCOBOLはACUCOBOLである。その理由の多くは先に書いたプロダクト系のサポートが良かったからだ。ベンダーがACUCOBOLの国内最大の販売元であったので、ACUCOBOLを用いたSIを積極的に進めていたからだと思う。筆者もACUCOBOLのセミナーに参加し話を聞いたのだが、印象としては、SIもしくはコンサルによる短期間でのリホストが中心のように思えた。筆者が目指す「地場企業によるダウンサイジング」とは異なる。一方、Micro Focus COBOLは、言語としてのCOBOLの販売であり、プロダクト系のサポートはSIerの仕事という分類なので、汎用機メーカー提供のCOBOL85 Proの方がまだ良いのではないかとの判断になってしまう。

 最後にOpenCOBOLであるが、検討当時、OpenCOBOLのバージョンは0.30であり、未完という色が極めて濃い。しかし一方で、日医標準レセプトで使用されており、オープンソースではあるが、安定動作の実績は十分にある。そして、筆者が何より興味を持ったのが、OpenCOBOLのコミュニティサイトにある以下の文面である。

OpenCOBOLは、COBOLプログラムをC言語のコードに変換し、それをGCCでコンパイルします。そのため、GNU/Linux や Mac OS X、Microsoft Windows を始めとする多くの環境でCOBOLをコンパイルすることが可能です。

引用:OpenCOBOLコミュニティサイト「OpenCOBOLコミュニティサイトへようこそ!」

 COBOLをCに変換しているわけだから、OPEN系で速度と実績で信頼のあるCへリライトを行っていることと同じだ。不具合があり、「OpenCOBOLのせいではないか」と疑われたときは、変換されたCを見れば良いということになる。これは、他のCOBOLにはない特筆すべき事項である。COBOLの販売元に問い合わせたり、コンサルを受けることなく自力でチェックできるからだ。さらにオープンソースであることを生かせば、例えばファイルの入出力をSQLに変えるように改造することも可能だ。

 筆者は、OpenCOBOLで行くべきだとした。あとは、職員のOpenCOBOLに対する不安の払拭だけある。地場ベンダーのとある物好きに、職員とOpenCOBOLの実用性検証をするように依頼した。結果は言わずもがなである。

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プロフィール

しまむら・ひでよ 1963年3月生まれ。長崎県総務部理事(情報政策担当)。大手建設会社、民間シンクタンクSE職を経て2001年より現職。県CIOとして「県庁IT調達コストの低減」「地元SI企業の活性化」「県職員のITスキル向上」を知事から命じられ、日々奮闘中。オープンソースを活用した電子決裁システムなどを開発。これを無償公開し、他県からの引き合いも増えている。「やって見せて、納得させる」をマネジメントの基本と考える。


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