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» 2008年12月11日 08時00分 公開

コンシューマ向けWebビジネスを支える:ニコニコ動画で検証開始――ギガバイト単価200円を切るHPの超大容量ストレージ (1/2)

日本HPが超大容量ストレージシステム「ExDS9100」を販売開始。パフォーマンスと容量を個別に拡張可能なNASアプライアンスとして提供される。最小構成でギガバイト単価200円を切る価格設定で、爆発的に増大するコンシューマデータの受け皿となる。

[石森将文,ITmedia]

爆発的に増大するコンシューマデータをどう扱うか?

ExDS9100 HP StorageWorks 9100 Extreme Data Storage System

 日本ヒューレット・パッカードは12月10日、本年5月に事前発表されていた超大容量ストレージ「HP StorageWorks 9100 Extreme Data Storage System(以下、「ExDS9100」)」を販売開始する。同時に報道陣に対する説明を行った。

 ブログやSNSの普及、そして動画、音楽などの配信サービス拡大により、市場では大容量のファイルベースストレージが求められている。調査会社IDCの予測では、2008年から2012年にかけてワールドワイドで増加するストレージ使用量は年率50%にのぼる。2008年は、RDBMSなどに属するブロックデータの総量をファイルデータの総量が上回るという、逆転現象が起こった年でもある(こちらもIDC調査による)。

 会見冒頭、挨拶に立った日本HP 富岡徹郎 ストレージワークスビジネス本部長は「Web2.0型のサービスが急速な発展を見せる現在、爆発するコンシューマデータの行き場をどうするか? が重要な問題になっている」と課題を示す。

 従来、比較的に容易に追加できるファイルストレージとしては、アイランド型に接続するNASが中心であった。だがストレージを追加するにはファイルサーバ単位で拡張する必要があり、「パフォーマンスだけ伸ばしたい」「容量だけ増やしたい」というニーズには対応しづらい面があった。そもそも大容量のストレージシステムは、ミッションクリティカル業務向けに設計・提供されるものが中心であり、導入コストも高い。無料、または安価にコンテンツサービスを提供するようなビジネスには、必ずしも適当ではなかった。

 ペタバイト以上のストレージを管理できるインタフェースを備えた「ExDS9100」は、このような「導入/運用コストは抑えたいが、ラージファイルを大量に扱う必要がある」というニーズに対し提供される。規模は大きくとも、アプライアンスとして提供されるため、NASのメリットである「容易な拡張性」は損なわれない。かつHPのClustered Gatewayで実績のあるクラスタファイルシステムを採用し、ストレージ仮想化による管理性向上も図られた。日本HPでは、ExDS9100のような製品を「スケーラブルNAS」というコンセプトのもとで提供し、リッチコンテンツ向けファイルサーバ市場の拡大を狙うという。

一般的なNASファイルサーバ(画像=左)と、ExDS9100が採用するクラスタファイルシステム(画像=右)の違い

 「スケーラブルNAS」は、仮想化技術により、あらゆるクラスタノードからすべてのストレージエリア内ファイルにアクセスでき、かつクラスタファイルサーバとストレージエリアを独立して拡張可能であるという考え方。クラスタノードの障害時にも、クライアントからのアクセスを遮断することなく運用できる。またシステムを「パフォーマンス」と「容量」に切り分け、個々に拡張できる。ExDS9100はこれらを実現した製品となる。

 日本HP ストレージワークスビジネス本部 高橋宏人 ビジネスディベロップメント担当マネジャーは「無料サービスをユーザーに提供するようなビジネスモデルでは、データをストアする際のコストパフォーマンスが問われる。価格/性能ともに、総合力はストレージ専業ベンダーに負けない」と自信を見せる。

ExDS9100の拡張の様子(画像=左、中、右の順で拡張)。アプライアンスとしてのExDS9100は、ブレードサーバBL460cで構成される「パフォーマンスブロック」と、ディスクで構成される「キャパシティブロック」に分けられており、それぞれをリニアに拡張できる。この方式のコンポーネントはHPのフォトサービスであるSnapfishで運用実績があり、ユーザーからの約2.5億枚/月という写真アップロードを支えているという

 ExDS9100を最小構成で導入した場合の価格は次のとおり。

製品名 最小構成 価格
HP StorageWorks 9100 Extreme Data Storage System ExDS9100ベースラック、xDS9100パフォーマンスシャーシ、パフォーマンスブロック(BL460c)×4、キャパシティブロック(ストレージ82テラバイト)×3 5162万8500円(2009年3月末までのキャンペーン価格)

 上記構成で導入した場合のストレージ総量は246テラバイトに達する。1ギガバイト当たりの単価を割り出すと、200円を切る設定(199.9円)だ。また日本HPでは、導入企業の初期導入費用を抑えるため、リースプログラム(pdfへのリンク)を用意する。導入企業は総額(調達費+サポート費)を36カ月に分割し、金利ゼロで支払える。月々の支払額は、36カ月を平均化するか階段式にするかを選択できる。例えば階段式を選択した場合、導入当初の6カ月は246TBのストレージを月々68万5088円(ギガバイト単価は2.8円)で使えることになる。

 当日はニコニコ動画で知られるドワンゴによるエンドースメントが紹介された。同社では既に、ExDS9100と同じファイルサーバエンジンを採用したHP Clustered Gatewayを導入しており、ニコニコ動画のサービス自体が日本HPのストレージプラットホーム上で提供されているという。なおドワンゴでは「ExDS9100」の評価を決定。サービスの安定運用に向け検証を開始する。


 なおExDS9100の発売に合わせ、米国HP NAS担当バイスプレジデント ドノバン・ニッケル氏が来日。動向について話を聞いた。

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