ニュース
» 2009年02月09日 15時13分 UPDATE

ネットバブルとの違い:Report:1月の中小企業は雇用増、給与減

スモールビジネスのオーナーたちは1月、難しい舵取りを強いられる景気後退局面で、給与をカットしながらも、雇用は増やした。

[Nathan Eddy,eWEEK]
eWEEK

 スモールビジネスのオーナーたちは1月、難しい舵取りを強いられる景気後退局面で、給与をカットしながらも、雇用は増やした。

 経済見通しがさらに悪化し、大企業で大規模なレイオフが続くなか、小・中規模(SMB)企業は1月、厳しい経営環境にありながらも雇用を増加させた。イリノイ州グレンビューのオンライン給与名簿サービス会社、SurePayrollが中小企業2万社を対象に実施した調査から、そうした実態が明らかになった。

 SurePayrollの雇用指数は、昨年12月末の1万1274から今年1月は1万1306へ上昇した。平均的な中小企業で0.3%増加したということは、今年1月、平均的な中小企業はわずかながらも事業拡大したことを意味する。もっとも、このところ雇用の伸びは停滞しており、過去5カ月間、0.2%から0.3%の範囲で推移している。「増加したのは意外だった」と驚くのは、SurePayrollの社長、マイケル・アルター氏だ。「ここで増加しても、景気は確実に減速しており、今後数カ月以内にマイナスに転じるだろう」

 アルター氏は、中小企業が新規雇用を継続していることはポジティブなニュースだと話す。「中小企業は、優れた人材が供給過剰になっている現状をチャンスと見ている」と同氏。また「いまのような経済環境では何をするにしても困難だが、優秀な労働者を雇い入れることだけは例外だ」

 同社の雇用指数はまた、W2(雇用関係にある)従業員と1099(雇用関係にない)契約社員の比率をチェックしており、中小企業の労働者数は一定で推移しているものの、個人契約の属性に含まれる労働者の比率は増加傾向にあることが分かった。

 SurePayrollの契約社員指数によると、2009年1月現在、SMBにおける契約社員の比率は3.78%。この数字は、同社が中堅企業のデータを提供するようになってから最も高い値だという。中小企業で働く労働者100人のうち、3.78人は1099契約社員で、96.22人がW2従業員ということになる。「中小企業のオーナーにとって、契約社員は魅力的な雇用形態だ。契約社員は、コストのかかる手当てが必要なく、間際の事前通告だけで比較的簡単に辞めてもらうことができる。また給与などに関する税制上の負担もない」とアルター氏。

 SMBは比較的安定的に雇用レベルを維持しているが、1月のレポートでは中小企業の給与レベルに引き続き下降トレンドが見られる。具体的には、1月、中小企業の従業員の年収は0.12%下落した。ただし、月ベースの下落幅は2008年5月以降で最も小さい。SurePayrollの調べによると、中小企業で働く従業員の現在の平均年収は3万1572ドルとなっている。

 同レポートはまた、中小企業に関するもう1つのトレンドも映し出している。新興企業の立ち上げが、前回の景気後退期ほど盛んでないことだ。「創業が減っている理由としては、ベンチャーキャピタルの急激な払底や経済環境の悪化に伴うビジネスチャンスの減少などが考えられる」とアルター氏は分析する。「また、人々が気楽に会社を辞めて創業する機運が薄れ、いまの仕事を大切に考えるようになったこともある。もし起業に失敗したら、元の仕事に戻っていまと同程度の給料を得ることは難しいからだ」

 こうした状況では、なんらかの救済策が不可欠だとアルター氏は言う。「過去20年、新規雇用の94%は中小企業によって創出されてきた」と同氏は指摘し、「この不況から脱出するためには、中小企業に資金援助して、彼らの成長、拡大を促し、起業家の創業を積極的に支援することが望ましい。それによって雇用が創出される」

 アルター氏は、中小企業の活動を直接的に刺激する経済対策が有効だと考えている。2008年第4四半期、米中小企業局(SBA)融資プログラムによる中小企業向けローンは57%も落ち込んだ。クレジットラインが凍結し、銀行がリスクを伴う新規融資を回避したことが原因だった。昨年、全米で300の銀行がSBAローンを中止した。「この問題を解決するためには一連の復旧対策が必要だ」とアルター氏。

 「中小企業オーナーに資金を提供すれば、彼らは直接雇用にその資金を投入するだろう。そうした資金で雇用を作り出せる起業家は大勢いるはずだ。経済成長による雇用創出の主役が中小企業であることは、歴史が教えている」

過去のニュース一覧はこちら

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ