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» 2009年03月27日 15時01分 UPDATE

ネットの逆流(15):IE 8の登場でブラウザ戦争は新たな局面に (1/2)

3月19日、IE 8正式版のダウンロードが開始された。IE、Firefox、Opera、Safari、Google Chrome……ブラウザ戦争は新たな局面に進もうとしているのだろうか。

[森川拓男,ITmedia]

ネットの逆流過去記事はこちらです。


 3月19日に、Internet Explorer 8(IE 8)正式版のダウンロードが開始された。従来のバージョンと比較して大幅に改善され、使い勝手やセキュリティ、安定性が向上したというIE 8の登場は、Firefox、Opera、Safari、Google Chromeなどと対決するブラウザ戦争に、どのような影響を与えていくのだろうか。

IE 7よりは確かに速いが……

 以前、わたしはIEをメインブラウザとして使用していた。確認の意味で別のブラウザを試したこともあったが、結局は使い慣れていたIEに戻っていた。それが変わったのが、Firefox 3の登場だ。最初はちょっと試すくらいのつもりだったが、気付いたらFirefoxがメインのブラウザに変わり、IE 7を立ち上げることはなくなった。どうしてもIEが必要な場合は、IE Tabなどのアドオンを使うことで対処できるので、いちいちIE 7を立ち上げる必要がなくなったのだ。

 しかし、今回リリースされたIE 8は、IE 7から格段の変化を遂げたという。そこでさっそくIE 8を試してみた。

 確かに起動などの体感速度は、IE 7と比較すると格段に速くなっているように感じた。しかし、試した時間帯が悪かったのか、はたまたWebサイトが悪かったのか、わたしの環境が悪かったのか。連続して、IE 8とFirefox 3を使って同じブログを更新してみたのだが、Firefox 3ではサクサク更新できたものの、IE 8では重さを感じてしまった。なぜか全体的に反応が悪かったのだ。とはいっても、別に統計を取るなどしたわけではないので、あくまでも感覚であるし、タイミングが悪かっただけかもしれない。また、わたしの環境で引き継がれていたGoogle Toolbarなどのアドオンが邪魔をした可能性もある。今後、しばらく併用しながら様子を見ていこうと思う。

 このIE 8の速度に関しては、マイクロソフトが速さを強調しているだけに、いくつか検証している人もいるようだ。それらの結果を見比べてみると、IE 7と比較して、速度などがかなり改善されているのは確かなようだ。ただし、それはIE 7と比べてのこと。そもそもIE 7は、タブブラウザを標榜した最初のバージョンだったが、とにかく遅かったのだ。結局、IE 8と競合するほかのブラウザと比べた場合、それほど突出しているわけでもない印象だ。実際、ほかのブラウザのほうが若干速い結果を出しているものもあった。

 「SunSpider JavaScript Benchmark」を使用して、インストールされていたIE 8、Firefox 3、Safari 3を比較してみることにした。なお、IEに関しては一度IE 8をアンインストールした上でIE 7に戻して、IE 7も計測してみた。ほかのブラウザに関しては、今後、検証してみたいと思う。

 結果は、以下のようになった。

ie8gyaku.jpg

 やはり、IE 7と比較してIE 8は格段に速くなっていることが分かる。しかし、SafariやFirefoxと比較すると、分が悪いようだ。もちろん、この結果は、わたしの環境下でのものであり、あくまでも指標の一つでしかないことはご了解いただきたい。

 ただ少なくとも、現在IE 7を使用しているユーザーならば、ほかのブラウザとともに、IE 8への移行も考えていいだろう。一つ注意しなくてはならないのは、Windowsの次期バージョンであるWindows 7 β対応版は、まだリリースされていないところ。いずれは対応版がリリースされるだろうが、現在、Windows 7 βを使用しているユーザーは、今しばらく待たねばならない。

 これ以外の問題点といえば、従来のIEとの互換性だ。これまでと比較しても、Web標準に準拠しているIE 8だが、それでも完全にフォローできていない。さらに従来のIEに最適化されたWebサイトの中には、IE 8でうまく動作しないものがあるという。

 一応、そのようなWebサイトを閲覧するため、IE 8には「互換性ビュー」という機能が用意されている。しかし、わざわざこういう機能を付けなくてはならないというのも困りものだ。わたしが見たサイトでは問題なかったが、人によっては「互換性ビューを使わないと見られないサイトが多い」と嘆いているケースもあった。

 不具合の報告もあり、今後のバグフィクスが注目される。さらに、W3Cの勧告する仕様であるCSSに関していえば、CSS2.1はサポートしたものの、CSS3は「box-sizing」しか対応していないという。IEが独自拡張してきたことのツケもあるのだろうが、ここはぜひ、CSS3も対応して欲しかった気がする。

 いつも見ることができたWebページが見られなくなってしまえば、いくら機能的に優れたブラウザであっても意味はない。ブラウザは、Webページを閲覧するための道具なのだから。

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