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» 2009年05月25日 08時00分 UPDATE

Bento for iPhoneで裾野を拡大:「DBってカンタンなんだ」という意識を共有したい――ファイルメーカー粟倉氏 (1/2)

手軽に使えるデータベースソフトとして、長年に渡る実績を誇るFileMaker。近年では大規模な利用例も増える一方、「Bento for iPhone and iPod touch」をリリースするなどパーソナルユースにもラインアップを拡充している。ファイルメーカー日本法人の代表取締役社長、粟倉豊氏に話を聞いた。

[岡田靖,ITmedia]

 データベースソフト「FileMaker」は、パーソナルからワークグループを主なターゲットとし、開発・操作性に優れたデータベースソフトとして認知されている。米FileMaker,Inc.は1998年にアップルの子会社として設立されてから、10年以上に渡ってFileMakerを提供し続けており、近年では製品ラインも拡大している。パーソナル向けの「Bento」から、より大規模なユーザーに適した「FileMaker Server」まで、幅広いニーズに対応できるようになってきた。

 2009年2月1日、日本法人であるファイルメーカー株式会社の代表取締役社長の座に就いたのが粟倉豊氏だ。ファイルメーカーを率いるリーダーとしての意気込みや、ユーザーやパートナー、市場へのメッセージを聞いた。


――リーダーとして、心掛けていることは。

ファイルメーカー 代表取締役社長 粟倉豊氏 ファイルメーカー 代表取締役社長 粟倉豊氏

粟倉 厳しい経済状勢のなか、日本法人を預かる重要な立場を引き受けるかどうかには決断を要しました。しかし、開発のツールという位置付けのデータベースを作っている会社ですから、売上を伸ばすことも重要でしょうけれど、メーカーとしてはユーザーのために永続していくことも重要なのです。ユーザーの期待に応えていきたいと考えて、引き受けることにしました。わたしは過去にエンタープライズ分野での経験があり、例えば間接販売と直接販売の両立などに役立てると思います。

――社内の雰囲気は。

粟倉 かつてわたしが在籍していた会社では、20人から30人ほどの開発スタッフがおり、「帰れ」と指示しなければいつまでも帰らないこともありました。しかしファイルメーカーのスタッフは、各自で時間とタスクを管理し、ワークライフバランスをとっているようです。

 またファイルメーカーの特徴として感じるのは、数字のレポートだけではなくコンテンツとしてのレポートを重視する、という点です。必然的に、電話などで直接会話をする機会が多くなります。わたしも話をするのは好きですから、社員はもちろん、ユーザーやパートナーからも積極的に話を聞いて回っています。

 その結果、数百人規模でFlieMakerが利用されている例も多いと分かりました。わたし自身、1995年頃にはFlieMakerのユーザーでした。当時は10人くらいの小さなワークグループで情報をシェアするという使い方が一般的でしたが、今ではかなり大規模なユーザー数でも使われるようになったと実感しています。

大規模ユーザーにも普及が進む

――大規模ユーザーが増えたことによる変化はあるか。

粟倉 当社は従来から、量販店でのパッケージ販売を行ってきました。今でも、そういう買い方をするユーザーは多く、「ユーザー数と同数のパッケージを大量購入」するケースも少なくありません。しかし最近では、代理店などで必要数のライセンスを購入するケースも増えてきました。従って、ライセンス販売に適した販売施策をとっていきます。また、当社が自らユーザーの声を聞いていきたいという考えもあって、直販にも力を入れています。

 また今年度は、初めての取り組みとして、国内を巡りながらファイルメーカー製品の良さを伝えるイベントを企画しています。間もなく告知サイトを立ち上げる予定ですので、ご期待下さい。内容としては、FileMaker Proを中心に、Bentoについても紹介する方針です。パートナーによるセッションも設け、ユーザー事例なども積極的に紹介します。「FileMakerの名前は知っているが、詳しくは知らない」というユーザー予備軍に、ぜひFileMakerの良さを分かって欲しいのです。わたしも一時期ユーザーでしたが、しばらく離れていて、今では当時から大きく進化したFileMakerの機能に驚いたくらいですから。

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――「良さ」というものを具体的に。

粟倉 まず開発に当たって、SQL文を書いてゆく必要がありませんから、特別なスキルが不要です。もちろんトレーニングは受けた方が良いでしょうが、書店で販売されている教本を参考にするくらいで十分です。これは、かつてわたし自身がユーザーとしてFileMakerを選択した際の特徴でもあります。

 開発パートナープログラム「FileMaker Business Alliance(FBA)」のメンバーが利点として挙げているのも、この「迅速に開発できる」という点です。ユーザーと話し合って定義した内容を、まずドキュメント化しておいて、後で実装するというのが、一般的な開発の流れですが、FileMakerなら、打合わせをしながらユーザーの目の前で基本的な構造を作ってしまえるのです。

 ユーザーもFileMakerには、ミッションクリティカル性よりも、使いやすいUIを求める傾向があるようです。例えばフィールドを追加するようなメンテナンスも容易なので、まず重要な部分を作って利用を開始し、その後は使いながら手を加えていくことができます。実際、FileMakerのユーザーから不満の声が挙げられることは、ほとんどありません。

 わたしがユーザーやパートナーを訪問して「幸せだ」と感じるのは、皆さんがFileMakerを気に入ってくれているという点です。あるユーザー企業からは、わたしのサインや写真を求められてしまいました(笑)。もちろん、そのようなユーザー評価に甘えることなく、継続して製品を改善していきます。

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