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» 2009年06月05日 16時08分 UPDATE

伴大作の木漏れ日:クラウドって何だ――流行り言葉に隠された真実 (1/3)

2008年暮れから大ブレーク、現在もますます増殖中のIT用語に「クラウドコンピューティング」がある。この話題について考えを述べてみたい。

[伴大作,ITmedia]

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 おととしから徐々にはやり出し、2008年暮れから大ブレーク、現在もますます増殖中のIT用語に「クラウドコンピューティング」がある。今やこの言葉を知らないITスタッフは「モグリ」のレッテルを張られかねない。わたしもこれに乗り遅れてはいけないと思い、この話題について、自らの考えを述べてみたい。

 先日大手コンピューター企業の幹部と会って世間話をした折に「クラウド」に話が及んだ。この話題についてのイメージは、彼とわたしでまったく違っていた。それで、これを肴に一献傾けようかという話になった。まあ結局は一杯飲みに行く口実にすぎないのだが。

クラウドは結局、はやり言葉

 彼は「クラウドなど結局はグリッド技術の延長線上にある話。単なるはやり言葉に過ぎない」と主張した。

 確かに彼の主張はハードウェアからの側面では正しい。わたしも、クラウドはネットワークコンピューティングの延長線上にある技術だと考えているが、どうやらそれだけで終わる話でもないようだ。

 ある企業のITスタッフの話だが、彼の会社のマネジメントの一人から、「クラウドとは何だ」という質問を受けたそうだ。彼の答えは「正直言って分かりません。まるで雲をつかむような話なので……」と応えたという。笑い話のように聞こえるが「クラウド」にまつわる真実の一端がこの話には含まれている。

実際には動き出している「クラウド的」なもの

 わたしは個々の企業ユーザーに継続的な聞き取り調査をしている。その中には情報システム部門の人たちが自ら構築したシステムを信頼して満足していながら、一方のユーザーは不満だらけというケースが数多く存在する。

 その一つが電子メールだ。メールサーバの運営にはどの企業も例外なしに注意を払っている。情報漏えい、SOX法対策など、企業を取り巻く社会的な風潮も、海外からよく指摘される日本企業のコーポレートガバナンスという観点からも、運用を厳しくせざるを得ないと考えるのが情報システムに所属する人の一般認識だ。

 しかし、現場にいる人たちはそんなことなどお構いなしで、日常業務を円滑に進めるツールとしてとらえている。彼らの間で、容量が大きく、使い勝手の良いWebメールを業務で使用するのは半ば常識化している。企業も自社でメールサーバを運用するのをあきらめ、Googleにアウトソーシングする企業も出始めている。メールが大丈夫なら、次はスケジューラであり、次にワークフローにおよぶのは間違いないだろう。

 クラウド的なものは、企業の情報システム部門が考える以上の速度で急速に展開しているのだ。

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