コラム
» 2009年06月29日 09時12分 UPDATE

Weekly Memo:ライバルも協調! クラウド時代のID管理 (1/2)

異なるID管理技術の相互運用を目指す国際団体がこのほど発足した。注目されるのは、IT業界のライバル同士が協調姿勢を示している点だ。呉越同舟か、それとも必然か。

[松岡功,ITmedia]

3つの有力なID管理技術の相互運用性実現へ

 異なるアイデンティティ(ID)管理技術の相互運用を目指す業界団体「カンターラ・イニシアティブ(kantara Initiative)」が6月17日に米国で発足したのを受けて、その日本組織を牽引するメンバーが先週23日、同団体の設立経緯や意義について記者会見を開いた。

 会見での説明によると、カンターラ・イニシアティブは、オンラインサービスにおけるセキュリティ確保やプライバシー保護を、ID管理の観点から促進するオープンコミュニティーで、ID管理対応のアプリケーションやサービス間の相互運用性の実現をミッションとしている。

 同団体の概要や具体的な活動については、すでに報道されているので関連記事を参照いただくとして、ここではID管理技術の相互運用性が求められている背景と同団体の役割、そして業界勢力図に焦点を絞って考察したい。

 まず、ID管理技術を取り巻く状況について、カンターラ・イニシアティブ ジャパン・ワークグループ議長を務めるNTT情報流通プラットフォーム研究所の高橋健司氏がこう説明した。

 「現在、世界的に利用されているID管理技術としては、強固な認証基盤を持つSAML(サムル:Security Assertion Markup Language)、シンプルでWebサービス事業者に普及しているOpenID、ユーザーインタフェースに優れたInformation Cardの3つがある。それぞれ特徴があるものの、相互運用性に問題があり、市場に混乱が生じているのが現状だ」

weekly0629.jpg 記者会見に臨むカンターラ・イニシアティブの日本組織を牽引するメンバー(左からNTT情報流通プラットフォーム研究所の高橋健司氏、野村総合研究所の崎村夏彦氏、サン・マイクロシステムズの下道高志氏)

 そこで3つの技術の調和を図り、相互運用性を実現していくために発足されたのが、カンターラ・イニシアティブである。

 同団体の母体となるのは、それぞれのID管理技術の普及促進とともに、相互運用性にもさまざまな形で取り組んできたConcordia Project、DataPortablity Project、Information Card Foundation、Internet Society、Liberty Alliance、OpenLiberty.org、XDI.orgの7団体。

 3つの技術の相互運用性について、「これまで既存の団体では手つかずだった要件定義や仕様案、適合性などをカバーしていきたい」(カンターラ・イニシアティブ理事で野村総合研究所 上級研究員の崎村夏彦氏)という。ただし、相互運用に関する技術仕様の策定は行わず、あくまで仕様の草案を作成して関係団体などに活用してもらうのが役目としている。

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