ジャストシステム、未知の脅威への対応を強化したKaspersky最新版を発表

ジャストシステムは、カスペルスキーの統合セキュリティ対策ソフト「Kaspersky Internet Security 2010」を10月に発売する。

» 2009年09月01日 17時23分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ジャストシステムは9月1日、カスペルスキーの統合セキュリティ対策ソフト「Kaspersky Internet Security 2010」を10月16日に、Mac向けウイルス対策ソフト「Kaspersky Anti-Virus for Mac」を11月13日にそれぞれ発売すると発表した。

 Kaspersky Internet Security 2010では、最新の脅威情報をユーザーなどから収集してデータベース化する「カスペルスキーセキュリティネットワーク(KSN)」を活用し、ユーザーが約40秒以内に脅威に対処できるようになる「緊急検知システム(UDS)」を搭載した。

Kaspersky Internet Security 2010のユーザー画面

 また、前バージョンの2009年版から搭載したアプリケーションコントロール機能を強化し、デジタル署名やブラックリスト、ホワイトリスト、ヒューリスティックに基づいてアプリケーションの実行を監視、制御できるようにしている。ヒューリスティック検出機能では、従来のモジュール更新型から定義ファイル更新型に変更し、アップデート処理に伴う時間を短縮した。

 このほか、不審なアプリケーションの実行をサンドボックス内で行う「仮想実行スペース」機能や、不審サイトの診断機能、アプリケーションが個人情報データへアクセスするのを監視する機能、USBメモリスキャン機能などを搭載した。

 価格は1年ラインセンスの場合で、パッケージ版が6800円、ダウンロード版が4680円。対応OSはWindows XP SP2/SP3、Vistaで、Windows 7への正式対応は12月上旬を予定する。

緊急検知システム(UDS)のイメージ

 Kaspersky Anti-Virus for Macは、ウイルス対策機能に加えてスパイウェアやアドウェアなどの検知、駆除が可能。45分に1回のペースで定義ファイルを自動更新する。価格は1年ラインセンスの場合で、パッケージ版が4900円、ダウンロード版が3900円。対応OSは、Mac OS X 10.4.11以降(Snow Leopardは対応準備中)となっている。

 同社の意識調査の結果によれば、Macユーザーの57%がウイルス対策ソフトを利用しておらず、82%は「ウイルスに感染すると思う」と回答した。Macに対して77%が不安を感じており、78%がウイルス対策ソフトの必要性を認識しているという。

 コンシューマ事業部の横井太輔企画部長は、「2006年以降、これまで80万ユーザーを獲得した。最新版は過去最高のバージョンアップになるだろう」と話した。

 カスペルスキーラブスジャパンの川合林太郎社長は、近年の脅威動向について新種マルウェアの発生ペースが2秒に1件から、2009年末には1秒に1件に増加すると説明。サイバー攻撃者が金銭取得を狙う傾向が強まり、犯罪行為が容易な点や検挙される可能性が低いといった点がマルウェアの増加を助長しているという。

 こうした状況には、従来型の定義ファイルによる検出、駆除では対応するのが難しく、予防措置的に対処する仕組みが必要になると川合氏。IPS(不正侵入防御)や振る舞い検知などの技術を統合した「完全型HIPS」機能に加え、近年のマルウェアは24時間以内に無力する傾向にあることから、KSNのような仕組みで短時間に最新の脅威へ対抗できる「Collective Defense」技術が重要になると説明した。

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