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» 2009年09月09日 08時00分 UPDATE

WebPRの仕掛け方:Webで売るために――企業が理解すべき4つの購買ステップ (1/2)

WebPRは、マスメディアなどの第三者を介して戦略的に情報を伝える手法だ。今回は、Web上での情報波及のメカニズムと、企業がWebPRで成功するための4つのステップを紹介する。

[太田滋(ビルコム),ITmedia]

Web上の情報波及構造

 ニュースサイトやブログなどのWebメディアにおける情報の流れは、これまでのマスメディアとは大きく異なる。テレビや新聞で配信された情報は、その日、あるいはその時に消費することが前提になっている。一定の時間が経てば、新聞の記事は印刷物自体を保管していないと参照しにくくなるし、テレビのコンテンツはあらかじめ録画をしておく必要がある。マスメディアが配信してきた情報の特性は「一過性」である。

Webにおける情報波及構造 Webにおける情報波及構造(出典:ビルコム『WebPR know-how book』)

 これに対して、Webメディアが発信する情報の流れ方はマスメディアと比べて性質が異なっており、「蓄積性」という特性を備えている。ニュースサイトやブログ、日記などWeb上に掲載されている情報は、1週間後でも半年後でも閲覧することができる。

 例えば、ニュースサイト「ITmedia News」がある記事を配信したとしよう。記事はすぐさま、Yahoo! JAPANをはじめとしたポータルサイトやSNSサイト「mixi」のニュース欄に転載される。これらの記事を読んだ人は、自分のブログやmixiの日記に感想を交えながら記事を紹介する。それを呼んだ人たちが自分たちのブログや日記に紹介し、さらにそれを読んだ人たちが……といったように情報が波及する。Web上の情報は、まるで雪だるま式のようにたくさんの人を巻き込みながら、瞬く間に拡散していくのだ。

ページビュー=波及ではない

 上述したWebメディアの特性を考えると、実はWebメディアに掲載された個別記事へのアクセス数やページビューは、記事の波及効果を示すバロメーターにはなりえないことが分かる。

Webにおける情報の伝わり方 Webにおける情報の伝わり方(出典:ビルコム『WebPR know-how book』)

 実例を紹介しよう。2008年12月、ある調査結果のニュース記事がインターネット関連の情報を扱うニュースサイトに掲載された。当時のサイトの日間ページビュー数は50万で、1日に配信されるニュース記事は約30件。仮に50万ページビューを記事本数の30で割った1万6000を、記事1本に対するページビューと考えてみよう。

 この数値から、実際にこの記事にアクセスした人の数はのべ1万6000人だ、と考えることは早計だ。この記事は登録会員数1500万人(2008年7月現在)を誇るmixiニュースにも転載されており、記事の感想を書いたり内容を紹介したmixi日記は、少なくとも3500件以上書かれたことが分かっている。それ以外にも、130件を超えるブログ記事が書かれていた。

 記事を書いた発信者はもちろんのこと、それを閲覧した読者を含めると、この記事が読者に届いた実数は、最初に配信したニュース記事が獲得したページビューの何倍にもなっているはずだ。

 テレビの視聴率や新聞の発行部数と同じ感覚で、サイトのページビューやユニークユーザーの数を持ち出してその効果を語ろうとする人がいるが、Webがもつ「波及性」と「蓄積性」を考えれば、それが意味をなさないことは明らかだ。

 Webにおける情報のフローは、テレビや新聞のようにその時だけ、その場だけで完結するものではない。最初に発信されたWebサイトはあくまで口火にすぎず、それをきっかけに波及する情報のほうが、より大きな効果があるのだ。

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