勝ち残る企業のWebプロモーション

メディアに火を付けるコツ【後編】WebPRの仕掛け方(1/3 ページ)

消費者は商品の存在に気付いた後、商品特性を理解し、ほかの製品と比べた上で、購入する。企業が商品やサービスを売るためには、この購買プロセスごとに適切な施策を講じていく必要がある。

» 2009年10月06日 17時00分 公開
[太田滋(ビルコム),ITmedia]

 前回は、消費者のインターネット上における購買行動の4つのステップの1つである「気づく」を取り上げ、サービスや製品の流行を作り出すために企業が心掛けておくポイントを説明した。今回は残りの購買プロセスである「わかる」「比べる」「買う」の各段階において、企業が注意すべき施策を取り上げる。

プレスリリースで新商品を認知してもらうコツ

 購買プロセスにおける「わかる」とは、商品単体の認知と理解を消費者に促すステップだ。「気づく」のステップを経て市場が啓蒙(けいもう)されても、企業が打ち出す商品やサービス自体の関心が高まらなければ意味がない。そのために、商品の特徴を消費者に伝達し、商品自体の興味を醸成していくことが求められる。

 「わかる」のステップで重要なのは、商品自体の認知度を高めるために、幅広いWebメディアを活用して情報を波及させることだ。そこで、企業がメディア向けに新情報を配信する「プレスリリース」の効果的な活用を考えてみよう。

 プレスリリースは、企業からメディアへ対して情報を提供し、商品自体をニュースとして露出させる手法である。メディアはこの情報を参考にしながら、ニュースによる報道や記事の掲載を行う。これにより、商品の特徴が消費者に浸透し、商品そのものの認知度向上にもつながってくる。

 だが、単にプレスリリースを配信するだけでは、記事にはならない。各メディアには1日に数十から数百ものプレスリリースが届く。編集者や記者はその膨大なリリースから、読者の興味をそそり、世の中の関心も高そうなものを選び出して記事を書く。

 彼らは非常に多忙であり、すべてのリリースを詳しく読むことはできない。リリースのタイトルなどを見て、ニュースの価値を判断することが多い。数あるプレスリリースの中から興味を持ってもらうためには、プレスリリースのタイトルに「思わずニュースにしたくなる」要素を含める必要がある。

 この要素とは、前回の記事で説明した「ニュース7つの要素」(新規要素・季節要素・時流要素・実利要素・技術要素・大成要素・実績要素)である。ここで挙げた要素のいずれかを含むタイトル付けを心掛けたい。

ニュース7つの要素を盛り込んだプレスリリースの例

 ここでビルコムが1月に発表したプレスリリースを基に、タイトルの付け方を考えてみよう。題材は、Webコンテンツ「WebPR力診断テスト」だ。

【サブタイトル】:Webで求められるPRノウハウ・スキルをオンライン上で無料提供

【タイトル】:国内初の「WebPR力診断テスト」を提供開始

【要約】:Webキャンペーンを展開する企業担当者の課題発見と対策構築をサポート

 タイトルやサブタイトルには、ニュース7つの要素を盛り込んである。「オンライン上」は技術要素、「無料診断」は実利要素、「国内初」は新規要素、「課題発見と対策構築をサポート」は実利要素である。つまり、7要素のうちの3つがタイトルに盛り込まれている。このように、1つのニュースタイトルに複数のニュース要素を掛け合わせることで、情報の価値を高めることができる。

 また、電子メールでリリースを受け取ることが一般的なWebメディアの場合には、メールの本文中にリリースタイトルや内容を抜粋して記載することで、開封率も高まり、記事の掲載にもつながりやすい。

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