クラウド時代のデータベース新潮流
特集
» 2009年10月20日 08時00分 公開

クラウド時代のデータベース新潮流:SMBにも身近になってきたデータベース可用性対策 (1/2)

中堅中小企業にとっても、サーバの安定稼働は無視できない重要課題だ。PCサーバの価格が下がったことで、可用性を担保できるようになってきている。

[岩上由高(ノークリサーチ),ITmedia]

 中堅中小企業にとっても、サーバの安定稼働は無視することのできない重要課題である。PCサーバの価格が下がったことで、アプリケーションサーバ(APサーバ)については並列配置によって可用性をある程度担保できるようになってきている。

 しかし、データベースサーバ(DBサーバ)については単に並列配置するだけではデータの一貫性が保証できなくなってしまうため、可用性を保つためには何らかの対応が必要となる。従来、そういった仕組みは中堅中小企業にとっては敷居の高いものであったが、昨今では安価かつ扱いやすい手法も登場してきている。本稿ではそうした「中堅・中小企業でも手軽に実現可能なデータベース可用性の実現」について取り上げる。

中堅中小企業においてもサーバの安定稼働は重要な課題

 以下のグラフは年商5億円〜500億円の中堅中小企業に対し「サーバ管理における課題」(複数回答)を尋ねた結果である。「サーバ障害発生時の対応」や「サーバに格納されたデータの保全」といったサーバ可用性に関連した回答が年商に依らず30〜40%と高い値を示していることが分かる。サーバを安定稼働させることは、大企業のみならず中堅・中小企業にとっても重要な課題なのである。

図1 サーバ管理における問題

DBサーバの可用性対策は比較的手薄

 ユーザー企業が抱えるこうした課題を受けて、中堅・中小企業を対象とするシステムインテグレーターもいろいろと工夫を凝らしている。最も一般的なのはAPサーバの冗長化だ。ユーザーを特定するトークン情報を各APサーバ上のメモリに格納しておけば、適切なデータをDBサーバから読み書きすることができる。

 この構成ではトークン情報を格納したAPサーバが停止してしまうと、ユーザーは再度ログインして、新たなトークン情報を生成しなければならない。またデータのトランザクション処理中にAPサーバでトラブルが発生すると、その処理を途中から再開することはできない。だが、中堅中小企業における通常の業務システムであれば、そこまで厳密な処理が求められるケースは比較的少ない。こうした理由から、APサーバをシンプルに並列配置する手法が良く用いられている。

 だが、1つ問題が残っている。それはDBサーバの冗長化である。APサーバ台数を増やす一方、DBサーバが一台のままではRDBMSに負荷が集中しやすくなる。その結果、システム全体が不安定になる、パフォーマンスが低下するといったことにもなりかねない。

 DBサーバ冗長化にも幾つかの手段が存在するが、クラスター構成を組むためにOSレベルの設定が必要、業務システムごとに物理サーバが2台以上必要など、技術面や費用面で中堅・中小企業にとって必ずしも手軽とはいえない条件が課せられることもある。そのため夜間などにバックアップを取り、「もしもの時も、一日前の状態までは戻せる」といったレベルで妥協するケースも少なくない。しかし、それで満足というわけでは決してなく、中堅・中小企業がより手軽かつ安価に導入できるDBサーバの可用性対策が長らく求められていたのである。

APサーバとDBサーバの冗長化
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