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» 2009年12月07日 11時30分 UPDATE

ネットファーザーの金言:成りすましプロフ撃退法 (1/3)

子どもがインターネットでいじめの被害にあったとき、親はどう対応したらいいのか。学校裏サイトとの戦いの記録を書き話題になったオルタナブロガー吉田賢治郎さんが、実際にアドバイスを行った事例をもとに、その対処法を指南する。

[吉田賢治郎,ITmedia]

 子どもに関するインターネットの問題の中で、最も注意しなくてはならないのが「ネットでのいじめ」です。ネットを利用していなくても、学校裏サイトプロフ(主に携帯電話で利用される、自分のプロフィールページを作成できるサービス)、掲示板などに誹謗(ひぼう)中傷コメントが書かれ、現実の世界でのいじめにつながって、自殺に発展することもあるからです。

 本稿では、あるお父さんが、プロフの成りすましによる“いじめ”に対して行った体験をもとに、現実的な対処方法を考えていきます。

 この記事で紹介する出来事は、本人が特定されないように性別、学年、時期などを一部変更しています。筆者が実際に行ったアドバイスは、出版社の許可を得て、「子どもをネットから守り、ネットで育てる〜頼れるお父さんになるための実践アドバイス」から引用しています。


プロフの成りすまし

『子どもをネットから守り、ネットで育てる』(翔泳社、吉田賢治郎著) 『子どもをネットから守り、ネットで育てる』(翔泳社、吉田賢治郎著)

 「息子がプロフでいじめを受けているようなので、どうしたらいいかアドバイスが頂きたくご連絡させていただきました」

 中学2年生のサトルくん(仮名)のお父さんからわたしにメールが届いたのは、学校が夏休みに入る直前の暑い日のことだった。わたしがこの1年で受けた相談は30件以上あり、中でもプロフにまつわる相談は多く、これで4件目であった。プロフは中高生のネットコミュニティーとして浸透しているようだ。

 “サトルくんに成りすましたプロフ”が作られたのは、彼が2年生になってすぐのことだった。サトルくんの名前やイニシャルが明確に書かれているわけではないが、彼の友達への悪口、テストの点数、うわさ話、ニセの告白、野球や芸能人のファンをばかにするコメントなどが書かれていた。

 このプロフがサトルくんのものらしいといううわさがメールや掲示板で広まり、彼を知る生徒やプロフで悪口を書かれた友達、そして野球や芸能人のファンたちから強い非難を浴びるようになったのだった。一時の感情にまかせて書く学校裏サイトでの誹謗(ひぼう)中傷よりも、計画的で悪質な“いじめ”である。

 後から考えれば、塾の帰りに皆で行くマックに誘われなかったり、理科室に移動するときに気が付くとひとりだったりといったことはあったが、そのときはさほど気にしていなかったそうだ。

 サトルくんが最初にそれを知ったのは、クラスの友達からの苦情メールであった。「俺らの悪口をいいふらしているそうじゃないか」。直接非難を浴びせられたり、メールで送られたりしてくるものもあったが、ネットの掲示板での誹謗(ひぼう)中傷が最もこたえたそうだ。

 掲示板には、

「お母さんがいないから、不潔でくさい」

「お母さんが浮気して離婚したらしいぜ」

「お父さん、首になって仕事してないらしいぞ。たかられないようにな」

などと、彼のプライバシーについても書かれていた。

 サトルくんのお父さんは離婚しており父子家庭だった。サトルくんはお父さんと、妹はお母さんと暮らしているのは事実だったが、それ以外の内容はデマだ。

 サトルくん兄妹は別れて暮らしていたが、学校では顔を合わせることがあり仲もよかった。妹の耳にもうわさは伝わっていた。妹はクラスの友達から「かわいそう」「大丈夫?」と気を遣われたことが、とてもつらく悔しかったそうだ。

 お父さんにプロフによるいじめの話が伝わったのは、その妹からのメールだった。掲示板にサトルくんに対する悪口がたくさん書かれていること、自分もつらいが、サトルくんはもっとつらいはずだということ、そしてこのメールは内緒にしてほしいことなどが書かれていた。

 心配になったお父さんは、サトルくんに事情を聞く前に、最初に紹介したメールでわたしに相談してきた、というわけだ。

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