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» 2010年01月18日 08時00分 UPDATE

世界で勝つ 強い日本企業のつくり方:ICTの“今”を取り巻く3つのホットなキーワード (1/2)

「IT」に変わる言葉として用いられるようになった「ICT」。今、それを語るときに重要なキーワードとして「グローバル化」「人材の育成」「クラウドコンピューティング」が挙げられるという。ICTの今を掘り下げてみたい。

[百瀬崇,ITmedia]

 2009年10月30日、原口一博総務大臣肝いりの「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)がスタートした。グローバルな視点から競争政策を見直し、「ICT」の利活用による社会課題の解決を目的とするものだ。

 このICTタスクフォースにみられるように、ICTという言葉が「IT」に代わる表現として定着しつつある。ICTとは、情報や通信に関する技術の総称で、従来から頻繁に用いられてきたITとほぼ同様な意味で使われている。

 今、ICTを語るときに欠かせないキーワードとして、ガートナー ジャパンのリサーチ部門グループ バイス プレジデント・山野井聡氏は「グローバル化」、野村総合研究所コンサルティング事業本部情報・通信コンサルタント部長主席コンサルタントの桑津浩太郎氏は「人材の育成」、そして両氏が「クラウドコンピューティング」を挙げる。

 社会的あるいは経済的なつながりが旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大している。また、日本は世界でも類をみないスピードで高齢化と人口の減少が進む。若者の理系離れもあり、ICT分野での人材育成が緊急課題だ。ネットワークの普及でインターネットをベースとしたクラウドコンピューティングも勢いをつける。ユーザーがネットワーク越しにコンピュータの処理能力をサービスとして利用でき、システムを持たなくてもいいほどになった。

必要となるインフラ、アプリケーションの棚卸し

山野井氏 ガートナー ジャパン リサーチ部門グループ バイス プレジデント・山野井聡氏

 「日本のCIO(最高情報責任者)にICTの論点は何かと問うと必ず、“グローバリゼーションが課題の1つだ”という答えが返ってくる」。山野井氏はこのように話す。

 少子高齢化が進む日本では、内需の増加は期待できない。製造業だけでなくサービス業も、何らかの形で海外の顧客を相手にすることを考えなければいけない時代が来ている。それでは、企業のICT部門はその動きに追い付けているのか。残念ながら多くの場合、後手の対応しかできていないのが現状だと山野井氏は分析する。

 海外に拠点を展開する企業のICT部門にとって、最も取り組みやすいのがインフラの統合だ。エンドユーザーの社員の意見だけに左右されず、ICT部門が主導できる。

 まず、インフラの費用を調べる。その過程で、ハードウェアのスペックやアプリケーション、そのバージョンなどを棚卸しすべきだ。

 「インフラはスムーズに統合できるが、アプリケーションは拠点ごとにバラバラに導入されていることが多く、棚卸しに1年もかかる場合がある。だが、時間をかけてもやるべきだ」と山野井氏は強調する。

 アプリケーションの棚卸しができたら、その標準化を推し進めたい。会計などのバックオフィス系のアプリケーションは、割り切って全社で統一する企業も増えつつあると山野井氏は話す。

 他方で営業系のアプリケーションは、商習慣の違いなどもあるため拠点ごとに導入した方がいいとも考えられる。それでも、日本の企業の場合はある程度標準化できそうなものについて、パッケージを導入して標準化するという考え方が強いと山野井氏。

 「アジアへ工場や店舗を展開するといった会社の事業ペースの速さに追い付けないと危機感を持つCIOが多い」(山野井氏)

 自社のICT部門だけでグローバル化に対応することは難しい。パートナーとして専門の知識と経験を持つICTベンダーも必要とされている。その選択基準は、海外事業の売上高だ。グローバル事業専門スタッフの有無もポイントになると山野井氏は話す。

 国内のICTベンダーを選ぶときのように、自社の業務をどれだけ理解してくれているかも重要になる。必然的に国内で既に契約を結んでいるICTベンダーが第一候補に挙がるが、「そのICTベンダーにグローバルでの実績を積極的に聞いてみることが必要」(山野井氏)となるようだ。

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