組織にはときに問題行動を起こす人がいます。今回はしんこちゃんと一緒に、問題児の対処方法を学びましょう。
新米リーダーしんこちゃんが、先輩リーダー輩田(やからだ)さんのところにやってきました。なにやら深刻な表情です。
しんこちゃん 輩田さん、ちょっとお時間いただいていいですか。相談があるのですが。
輩田さん おっ、なんだなんだ。またカラオケの指導をしてほしいとかかな? 美しい人生よ〜♪
しんこちゃん もう、社内で大きな声を出さないでください。少しは顔つきでどういう相談か想像できませんか?
輩田さん 深刻な顔をしているときこそ、明るい応答をするのが大事なんだぞ。そもそもなー。
しんこちゃん はいはい、その話は何度も聞いています。今日は別の相談です。実はメンバーから「門田(もんだ)君をプロジェクトから外してほしい。いてもトラブルの元になるばかりだ」と直訴されたんです。
輩田さん うーん、門田君は問題児というわけか。ではそもそも問題児とは何なのかから考えてみようか。わたしはね、問題児は4つのタイプに分けられると思うんだ。
輩田さん 組織はチームワークが何よりも大切だ。役に立たないメンバーがいると、ほかのメンバーは「なんであいつの仕事まで俺が面倒見ないとならないんだ」と不満を感じる。仕事をしないメンバーがいると「仕事をしなくても給料をもらえるのか」と考えて、努力をするのが無駄に思えてしまう。仕事の邪魔をするメンバーがいるとほかのメンバーが頑張っても問題が多発する。悪影響を与えるレベルになると問題外だ。さっきの話からすると、門田君は仕事の邪魔をするレベルかな。ほかのメンバーに悪影響を及ぼしてはいないが、なんらかのマイナスを与えているようだね。
チームとしては厄介者でも優れた面がある人は、専門分野のスタッフにするなどの工夫で対応できる場合もある。でも特別扱いをするほどの魅力が門田君にあるかどうかを十分に考えないと、ほかのメンバーが不満に思う可能性もあるね。しんこちゃんから見て門田君はどんな人なの?
しんこちゃん 技術的にはかなりレベルが高いです。でも積極的に問題解決に取り組むというよりも、周囲の批判ばかりするところがあるんです。
輩田さん なるほどね。ところでしんこちゃん、門田君とは話をしたのかい?
しんこちゃん いえ、まだです。門田君は職人肌であまり話をしてくれないので。
輩田さん それはいけないな。片側だけの言い分で判断するのは危険だよ。門田君がどんなことを考えているのかもしっかり聞いてごらん。対処を考えるのはそれからでも遅くない。
しんこちゃん 分かりました。確かにわたし自身、門田君と話をしたことがほとんどないので、変な先入観を持っているかもしれません。一度じっくり話をしてみます。
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