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» 2010年03月27日 08時30分 UPDATE

ビジネスマンの不死身力:「聞く姿勢」は職場で苦しむ仲間を救う (1/2)

ストレスフルな職場で苦しむ仲間を増やさないためには、相手の話を「聞く」ことが有効だ。真剣に話を聞くことが、相手にとって救いの一手になる。

[竹内義晴,ITmedia]

少し考え方を変えることで、仕事を楽しく充実したものに。「ビジネスマンの不死身力」では、そのノウハウをお伝えします。


心の限界点を超えてしまう前に

 自分の思いを大切にして、充実した気持ちで働きたい。だが、そんな日は1年に何日あるだろうか。仕事には、厳しいノルマや長い労働時間、成果へのプレッシャーがつきまとう。職場内の人間関係や将来に対する不安もあるだろう。

 人は、ある一定の期間ストレスが掛かると、気付かぬうちに心の負担が大きくなる。一時的な気持ちの落ち込みなら気にすることはないが、心が限界点を超えてしまうと、その後のケアが難しくなる。

 成果を求めるがゆえのプレッシャーなのかもしれない。だが、成果を出すのは人である。そして、安心して働ける職場こそが、さらなる成果を生み出すのだ。今回は「聞く」をテーマに、仲間の心をケアする方法をお伝えしよう。

著者より

このたび、『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』という本を上梓しました。本連載「ビジネスマンの不死身力」では、本書の内容に触れながら、職場を変える「会話の工夫」をお伝えします。会話で職場を変えるための鍵は、「伝える」「褒める」「問い掛ける」「聞く」の4つです。書籍と連動した「すぐに実践できる会話の工夫」を4回にわたり掲載していきます。拙著では、わたし自身の試行錯誤の体験を基に、現場ですぐに使える内容を紹介しています。序章は出版社のWebサイトで公開しています。


精神的疾病の実態

 あなたの周りに、最近元気がない仲間はいないだろうか。

 ファイザーが2008年4月に発表した調査によると、「一般生活者の12%、約8人に1人がうつ病・うつ状態の可能性」がある。身近な人から精神的疾病の話を聞くことも多くなりつつある今、うつ病は、自分や仲間には関係ないと済ませることはできないテーマだ。

 仲間の表情や話し方から、不安や悩みを抱えていると気付くこともある。だが、声を掛けようとしても、話を聞くのが怖いという方も多いはずだ。接し方が分からず、的確なアドバイスもできないという心理が働くのだろう。医療機関の受診を促したり、「誰でも失敗はあるもの。もう少し頑張ってみたら?」と声を掛けたりするのが精一杯という声も聞こえてくる。

 精神的疾病を抱えてしまった後の対処は難しく、場合によっては専門家に任せる必要も出てくる。突然仲間が現場から離れることになれば、仕事の段取りが変わり、ほかの仲間にも負荷が掛かる。職場環境はますます悪くなるだろう。

 今、苦しむ仲間を増やさないような職場での対応が求められている。仲間が精神的疾病になる前に、職場レベルでできることがあるのだ。それは、相手へのちょっとした気遣いの気持ちを持ち、話を聞くことだ。

ただ話を聞いてくれた上司

 わたし自身、エンジニア時代に過度のプレッシャーを感じ、肉体的、精神的に追い込まれたことがある。やる気がでず、仕事に行くのが嫌になり、顧客と顔を合わせたくない状態が続いた。精神的疾病とは思っていなかったが、もし病院に行っていたら、「抑うつ状態」と診断されていただろう。

 苦しい毎日を救ってくれたのは、上司だった。彼はアドバイスや叱咤激励をするわけでもなく、ただただ話を聞いてくれた。状況の改善に直接結び付くものではなかったが、わたしは「分かってくれる人がいる」という事実に救われた。

 逆のパターンもある。顧客からのプレッシャーで追い込まれていた仲間が、問題だらけのプロジェクトを突然任せられた時のことだ。未来が見えない不安から抑うつ状態が続いた。そんな彼を救うことができたのは、共感しながら相手の話を聞く方法を身に付けていたからだった。

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