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» 2010年04月12日 08時10分 UPDATE

Weekly Memo:SAPが垣間見せたクラウド時代のパートナー戦略 (1/2)

SAPと富士通が先週発表したSaaS型情報分析サービスでの提携から、クラウド時代におけるSAPのパートナー戦略を占う。

[松岡功,ITmedia]

富士通のクラウド基盤でBIを提供

 独SAPと富士通が4月5日、SAPが提供するSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型情報分析サービス「SAP BusinessObjects BI OnDemand」の日本語版を共同開発し、富士通のクラウドコンピューティング基盤から国内市場に提供することで合意した。

 SAP BusinessObjects BI OnDemandは、社内外に分散した経営情報を集め、組み合わせて分析、共有することで経営の見える化を実現するビジネスインテリジェンス(BI)ソフトをSaaSとして提供するサービスである。

 例えば、データマッシュアップでは、個々に構築された業務システムから収集した会計・受注データを、あたかも単一システムのデータのようにPC画面上に表示する。瞬時に検索・分析が可能な「SAP BusinessObjects Explorer」の機能も標準搭載したことにより、容易に経営分析やレポート作成ができるという。また、SAP製品やセールスフォース・ドットコムの「Salesforce CRM」などのオンデマンドおよびオンプレミス(自社運用)のデータとの連携機能も備えている。

 SAPは2006年から同サービスを提供しており、すでに世界中で26万人が利用している。新たに富士通と共同で日本語化し、富士通が群馬県館林市に持つデータセンターから国内企業に提供することにした。

 両社はグローバルパートナーとして、これまでERP分野で協業を進めてきたが、今回の提携を通じて今後はBI分野でもグローバルな戦略的パートナーとして協業を深めていく方針。その一環として、国内市場に向けたBIのクラウドサービス展開については、SAPが富士通のデータセンターの堅牢さなどを評価し、日本語版の共同開発と合わせて手を組んだ格好だ。

 グローバルでERP最大手のSAPは、今やCRM、SCMなど幅広い分野をカバーする総合ビジネスソフトベンダーである。2007年にはBusinessObjects(BO)を買収し、BI分野へも本格的に進出した。ERPが屋台骨であることに変わりはないが、BIはERPをはじめとした手持ちのビジネスソフトの普及に相乗効果を生み出せるとあって、このところ相当注力しているようだ。

 一方、SAPはERPがミッションクリティカルな分野であることもあって、当初はクラウドサービスへの展開に慎重な姿勢を見せていた。しかし、最近になってその姿勢もだいぶ変わってきたようだ。今回の富士通との提携は、製品サービスおよびパートナー戦略と合わせて同社のクラウド事業への取り組み方を示唆しているようにも受け取れる。

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