Windows Phone 7を待ち受ける強敵――「iPhone OS 4」と「Android 2.2」(1/2 ページ)

Microsoftは年末に向けて新しいスマートフォンOS「Windows Phone 7」を投入するが、そのころには既に、iPhone OS 4.0やAndroid 2.2など強力なライバルが登場している。

» 2010年05月31日 07時00分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは完全刷新版とうたうスマートフォンOS「Windows Phone 7」を2010年末近くにリリースする。AppleのiPhoneやGoogleのAndroid携帯との競争で、数四半期にわたって下降している市場シェアを反転させる試みであり、同OSのユーザーインタフェース(UI)――「People」「Games」などのカテゴリーの下にモバイルアプリやWebコンテンツを集約した「ハブ」が中心となる――は、競合製品との重要な差別化要因として設計されている。

 しかし、AppleやGoogle陣営の最近の発表やうわさを聞くと、状況は大きく変わる可能性がありそうだ。

 Appleの次世代iPhoneについては、先日からうわさが流れている。Digitimesは5月17日に、新型iPhoneは2010年中に2400万台出荷されるかもしれないと報じた。これは同紙のアナリストが、台湾の部品メーカー筋からの情報として入手した数字だ。

 「Foxconnは上半期に450万台、下半期に1950万台を出荷する」とDigitimesは伝えている。「Appleは2010年6月7日に、自社イベントWorldwide Developers ConferenceでiPhone 4Gを発表する見込みだ」

 この数字が正確かどうかはともかく、Appleは通常、最新の製品はリリース直後によく売れると想定してきた。同社は新型iPhone(メディアは「iPhone 4G」と呼んでいる)を正式に発表していないが、試作機の流出で、Appleがこれまでのパターン通り、夏に新モデルをリリースするという説の信ぴょう性が高まっている。

 新型iPhone登場の可能性に加えて、Appleは「iPhone OS 4」もリリースする。同OSは、モバイルアプリに広告を表示する「iAd」や、これまでのバージョンになかったマルチタスクなどの機能を備える。

 一方、携帯電話メーカーのHTCは、2010年に発売するスマートフォンのほとんどが、今年後半に登場するAndroid 2.2(コードネーム「Froyo」)へのアップグレードに対応すると明らかにした。HTCのAndroid携帯には、Nexus One、DROID Eris、DROID Incredibleなどがある。

 「準備が整ってきたら、完全なリストを公開する。だがさしあたって、DesireやDROID Incredibleなどの人気モデルと、期待されている新しい端末の一部から対応を始めた」とHTCはPocket Lintブログに話している。

 Android 2.2は高速化に加えて、リモートワイプ、パスワードオプション、Microsoft Exchangeアカウントの簡単なセットアップ(と同期)など企業向けの機能も備える。マルチメディアデバイスとして使いたい人向けには、アニメーションや動画などのリッチWebコンテンツを再生できるAdobeのFlash Player 10.1をサポートする。

 だがAndroid 2.2ができあがったばかりだというのに、Android 2.3「Gingerbread」が開発中で、第4四半期までにリリースされるかもしれないといううわさが流れている。Androidは現在およそ60機種に搭載されており、年末までにこの数は増える見通しだ。

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