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» 2010年07月12日 08時30分 UPDATE

Weekly Memo:クラウド時代のビジネスモデルの行方 (1/2)

大手ITベンダーのトップが先週、相次いで今後の経営戦略について会見した。その中から各社の事業スタンスによって違いが浮き彫りになったクラウド時代のビジネスモデルに注目してみた。

[松岡功,ITmedia]

垂直統合モデルを志向する富士通とオラクル

 富士通、マイクロソフト、日本オラクル、シマンテックといった大手ITベンダーの経営トップが、このところ相次いで今後の経営戦略について会見した。各社とも今後、最も注力する事業として挙げたのはクラウドコンピューティング事業。しかし、それぞれの事業スタンスによって、そのビジネスモデルに違いがあることも浮き彫りになった。キーワードは「垂直統合」である。

 「クラウド事業における当社の最大の強みは、この事業に必要なコンピューティングやネットワーク、運用管理などの技術や製品を取りそろえた垂直統合のビジネスモデルによって高い信頼性を提供できることだ。今後もこの垂直統合モデルを一層強化していく」

会見に臨む富士通の山本正已社長 会見に臨む富士通の山本正已社長

 富士通の山本正已社長は7月9日、同社が開いた経営方針説明会でこう語り、「安全、安心で環境に配慮したミッションクリティカルレベルのトラステッドなクラウドサービスをお客様に提供していくのが、当社のクラウド事業戦略の核心だ」と強調した。

 クラウド事業における垂直統合のビジネスモデルについては、日本オラクルの遠藤隆雄社長も、同社が6月30日に開いた決算説明会で強力に推進する姿勢を打ち出した。

 「オープンで競争力のあるソフトウェアやハードウェアを効果的に統合し、さまざまなニーズに合わせて最適化されたソリューションを提供する垂直統合モデルによって、お客様により高い価値をお届けしたい」

 オラクルが垂直統合のビジネスモデルを声高に言い始めた背景には、サン・マイクロシステムズを買収してハードウェア事業を保有したことがある。さらに遠藤社長は、垂直統合モデルに対する顧客ニーズがここにきて一層高まりつつあるという。

 「最近になってお客様から、複雑化したITの管理を安心して任せられるクラウドに早く移行したいという要望が一層高まってきた。ただ、クラウドに移行する際、異なったベンダーのさまざまな製品やサービスを、自分たちで組み合わせて最適なソリューションにするのはリスクが高すぎると見るお客様も増えてきた。オラクルはそうしたニーズに応えたい」

 そのためには「クラウドサービスを構成するそれぞれの分野で、競争力のある製品やサービスを保有することが非常に大事だ」と遠藤社長はいう。この点については、富士通の山本社長も異口同音に語った。垂直統合モデルといっても、ただスタックが埋まっているだけではビジネスにならないということだろう。

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