iPhone 4のアンテナの欠陥をいまだ認めないApple(1/2 ページ)

Appleは依然として、iPhone 4のアンテナ設計でへまをやったことを認めようとしていない。このままでは、同社の評判を傷つけ、集団訴訟を指揮する弁護士の懐をふくらませることになる。

» 2010年07月15日 11時11分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK

 スティーブ・ジョブズ氏の人生は、日ごとに悪くなっているとしか思えない。少なくとも、彼が高品質な製品のメーカーというAppleのイメージを気にしているなら、あるいは顧客をオープンかつ公正に扱うことを気にかけているのならば。だが、地球上で最もクールな製品を作っているという賞賛さえあれば、そんなことは全く気にしない、という可能性もある。クールでさえあれば、ちゃんと機能するかどうかなんて誰も気にしやしないだろう?

 もちろん、ジョブズ氏が実際は何を考えているのかはわたしたちには分からない。だが彼のiPhone 4のアンテナ問題への公式回答は、現実的な懸念というよりも情報操作のように聞こえる。受信感度の問題? どんな携帯電話にもその問題はある。アンテナの絶縁体が不便な場所にある? それなら持ち方を変えるか30ドルのケースを使えばいい。P・J・コロニーがブログで指摘しているように、弁解はさらに続く。

 問題は、Appleの弁解リストが延々と続いていることだ。ソフトの不具合だ。持ち方が間違っている。炎上なんてするはずがない。次は、Consumer Reportsの技術者は携帯電話のテスト方法を分かっていないと主張し出すのではないだろうか(Appleファンは既にそう言っている)。だが、Appleはへまをして、それを認めたがっていない、というのが事実だ。

 わたしはiPhone 4のアンテナの設計を調べたときに、本体の周囲を取り巻く金属バンドで2つのアンテナを形成し、その間にプラスチックの絶縁体を置くという選択は、ユーザービリティの問題を引き起こすと指摘した。スマートフォンのアンテナだろうがカーラジオのアンテナだろうが、アンテナの仕組みを知っていれば、その理由は簡単に分かる。

 アンテナを適切な周波数帯で動作させるには、アンテナをある特定の長さにする必要がある。そのやり方はいろいろあるし、アンテナを実際の寸法とは違った長さに見せられる方法もあるが、アンテナの長さを変えればその特性も変わるというアンテナの物理学が決め手になる事実は変わらない。アンテナをある周波数帯に合わせて適切に調整しても、所定のサイズより長く、あるいは短くしたら、きちんと動作しない。

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