固定概念を手放す思考法ビジネスマンの不死身力(1/2 ページ)

固定概念にとらわれると、ネガティブな思考がつきまとい、行動や成果に結び付きにくくなります。固定概念を1つずつ手放し、自身の可能性を最大限に引き出す思考法をお伝えします。

» 2010年07月17日 08時30分 公開
[竹内義晴,ITmedia]

少し考え方を変えることで、仕事を楽しく充実したものに。「ビジネスマンの不死身力」では、そのノウハウをお伝えします。


 「高学歴でないと、いい仕事に就けない」「経験が浅い自分が活躍できるはずがない」――。とある人との会話で出てきたフレーズです。自信なく話すその人を見て、何がこの人をネガティブにさせるているのだろうと考えました。

 わたしたちは学歴や経験に限らず、自分の中で作り上げた理想像と現状の自分自身を比べてしまいがちです。こうした比較は時として、柔軟な発想を制限してしまいます。そこで今回のビジネスマンの不死身力では、柔軟な思考から自分の可能性を最大限に引き出す方法をお伝えします。

わたしたちを制限する「固定観念」

 「○○すべきだ」「○○であるのは当然のことだ」

 行動を制限してしまうこうした思い込みを「固定観念」と呼びます。固定観念には、理想的な自分を作るために働くものと、これから前進しようとする自分を制限するものという2つのタイプに分かれます。

 例えば「顧客の笑顔を見るために、最大限の価値を提供すべきである」という固定観念は、ビジネスで理想的な成果をもたらすのに役立ちます。一方、「高学歴でないといい仕事に就けない」という固定概念は、自分の可能性を制限してしまいます。

 ネガティブで批判的な固定観念は思考や行動を制限し、成果から遠ざけます。つまり、われわれが本来備えている可能性を奪ってしまうことにもつながりかねないのです。

固定観念の作られ方

 固定観念はどのようにして作られるのでしょうか。交通ルールを例に考えてみましょう。

 生まれたばかりの赤ちゃんは、「赤信号で止まる」というルールを知りません。そのため赤信号を見ても止まりません。しかしわれわれは、赤信号を見ると止まります。なぜなら「赤信号=止まる」というルールが頭の中にあるからです。

 ではこのルールをどのように認識したのでしょうか。親や先生からの教えや車にぶつかりそうになった経験や「赤信号では止まるべき」という周囲からの情報の影響が大きいと考えられます。

 「高学歴でないといい仕事に就けない」「経験が浅い自分が活躍できるはずがない」といったネガティブで批判的な固定概念も、実は交通ルールと同じように、わたしたちがこれまでに触れてきた「高学歴=いい仕事」「自分=活躍できない」といった周囲からの情報によって、いつの間にか形作られてしまった「無意識のルール」なのです。それはまるで、「○○の場合は、△△である」と定義付けられたコンピュータプログラムのようなものです。

 ここで大切なのは「高学歴=いい仕事」「自分=活躍できない」という考えは本当なのか、つまり無意識に作られたルールが正しいのかという観点を持つことです。目の前の出来事と無意識のルールとの関連付けは頭の中で瞬間的に行われるため、それが本当に正しいかを意識することはまずありません。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ