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» 2010年09月08日 20時41分 UPDATE

Hitachi OMW “JP1 Day” Report:クラウドは企業にチャンスと脅威をもたらす

クラウド時代を迎え、一般ユーザーはクラウドのメリットを享受することに慣れつつある。これは企業にとって脅威だが、同時にチャンスでもある。この機会を生かすには、仮想化技術と、それに最適化された運用管理環境が必要だという。

[石森将文,ITmedia]
fuketa.jpg 更田氏の講演は、9月8日開催のHitachi Open Middleware World JP1 Dayで行われた。当日は台風の接近にもかかわらず、会場は満員。記者は中継会場での聴講となった

 クラウドコンピューティングの効果というと、どのような要素を考え付くだろうか? 企業の情報システムにかかわる読者は、スケーラビリティの向上や、構成変更のしやすさ、ITリソースの利用率向上、そしてこれらに伴うコスト削減といったことを、思い浮かべるだろう。

 だが視点を、クラウドという言葉に馴染みのない一般ユーザーにまで広げると、Webサービスを使ってかんたんにオンラインショップを立ち上げたり、友人同士でWebメールをやり取りしたり、またGoogle Docsを用いロケーションを問わずにファイルを編集したりしている。つまり、一般ユーザーが享受している最新のコンピューティング体験はクラウドによりもたらされているのだ。

 クラウドが実現するコンピューティング体験を「クラウド的ユーザー体験」と表し、「このようなユーザー体験を提供できない企業は、競争不利になる」と指摘するのは日立 ソフトウェア事業部 JP1マーケティング部の更田洋吾部長である。

 ここで言うクラウド的ユーザー体験を支えるテクノロジーは、仮想化ということになる。ただし仮想化、そして抽象化されたIT基盤は、従来の物理的な運用管理ではなく、仮想化環境の特性に応じた運用管理が必要になる。そこで重要な役割を果たすのが(日立の統合運用管理基盤である)JP1だ――これが、近年の日立の主張である。

 ただしこのことは、調査からも裏付けられている。例えばIDC Japanが2010年5月に公表したレポートによると、仮想化環境を効率運用するに当たり必要なものとしてパフォーマンス管理、リソース管理、キャパシティプランニングなどを挙げた企業が多い。継続・安定したサービスの提供や、IT基盤の統合による全体最適化を念頭に置いたものと考えられるが、これらは一般的に(例えばJP1のような)運用管理ツールが提供している機能である。つまり、日立の主張には妥当性を認められると言えるだろう。

idc.jpg IDC Japanによる調査資料

 なお現在、JP1の最新版は、2010年6月にリリースされた「バージョン9.1」となる。製品そのものについては、発表時の記事などに触れてほしい。

 「クラウド時代を迎え変化するのは、一般ユーザーの体験である」とする更田氏は、ユーザーは今後、IT側の都合に配慮することがなくなり、クラウド的ユーザー体験を当たり前のものとして受容するだろう」と話す。既に述べたとおり、これは企業にとってビジネスチャンスであると同時に、脅威ともなる。「一般消費者にクラウド的ユーザー体験を提供するため、企業は業務上必要なIT環境をすばやく入手、構築できるようにしなければならない。構築したIT環境は、そのリソースを無駄なく活用でき、また安定稼働し続ける必要がある」と更田氏は話す。「その鍵となるのは、仮想化技術と、仮想化環境に最適化された運用管理ツールだ」(更田氏)

 なお更田氏は、2011年度内にリリース予定だというJP1 V9.5(仮称)についても言及した。新版でフィーチャーするのは、サービスオリエンテッドな運用環境と、それによるビジネス価値の創造だという。具体的には、サービスレベル管理機能や運用ダッシュボード、そしてクラウド環境に必須の課金管理機能の実装を予定する。またログをエージェントレスで監視できる機能も備えると紹介された。

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