インタビュー
» 2010年09月27日 07時58分 UPDATE

“Javaの父”ゴスリング氏、Oracle退社の理由を語る (1/2)

Oracleによる初のJavaOne開催中、ジェームズ・ゴスリング氏はeWEEKの単独インタビューで、これまで明かさなかったOracle退社の理由を語った。

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 ジェームズ・ゴスリング氏が米Sun MicrosystemsでJava言語およびプラットフォームを構築したチームを率いていたころ、同社は好調で、Javaは革新的な技術だった。だが、最終的にはSunは財務的な窮地に陥り、米Oracleが救済者として現れた――正しいことを言う救済者として。だが水面下では、少なくともゴスリング氏の考えでは、間違ったことばかりする救済者だという。

 ゴスリング氏はJavaを作り出した。これは多少は尊敬されていい功績のはずだが、同氏が言うには、Oracleから与えられたのはその逆だったという。eWEEKの単独インタビューで、ゴスリング氏はOracleを辞めた理由と、Oracleが同氏の創造物であるJavaを今後管理していくことに関する自身の考えを本音で語った。

 4月にOracleからの退社を自身のブログで告げた際、ゴスリング氏は次のように語っただけだった。「退社の理由を説明するのは難しい。正確かつ正直に言うことは有害無益になるとしか言えない」。だが、OracleがOpenWorldと同時に初めてJavaOneを主催した週に、サンフランシスコでeWEEKが夕食を共にしながら行ったインタビューで、ゴスリング氏はもう少し詳しく、OracleがSunの主だった従業員を過小評価したり、Sunのプロジェクトや戦略を打ち切ったことについて語った。

 「わたしがOracleを離れた理由は、実際にはたくさんある。給与もその1つだ。Oracleから提示された給与額が明細上どうなるか試算してみたが、これが大きな打撃だった。Oracleはわたしの基本給を(Sunと)同じにした」とゴスリング氏は説明した。だがSunでは、副社長以上の幹部は、企業の業績に基づくボーナスを支給されていた。この給与体系では「業績がそこそこの年でもそれなりで、好調な年には給与もかなり良かった」と同氏は語った。

 Oracleの広報担当者は、ゴスリング氏の指摘についてはコメントしないと語った。

 つまり、「Oracleで働かせてもらうには、大幅な給与カットを受け入れなければならなかった」とゴスリング氏。

 それ自体は致命的な理由ではなかった。実際、ゴスリング氏はこの制約があってもOracleにとどまろうとした。だが、また別の問題があった。ゴスリング氏によると、Oracleには上級技術者、あるいは最低でもSunでのゴスリング氏の職位である「フェロー」に相当する概念がなかった。「Oracleはわたしを大幅に降格した」と同氏は言う。

 だが、これも同氏を決心させた最終的な要因ではなかった。ゴスリング氏によると、大きなきっかけとなったのは、恐らくOracleが同氏を押さえつけようとしたことだという。OracleはSunとJavaを獲得した結果、Javaの創造者とその知的財産も獲得し、ゴスリング氏らによるJavaに関する発言内容を決めるのもOracleになった。

 「Oracleでのわたしの決定権は縮小された」とゴスリング氏。「Oracleは非常に細かく管理(マイクロマネジメント)された企業だ。だから、わたしとJava関連の同僚は何も決定させてもらえなかった。われわれの決定権はすべて消滅したのだ」

 これでゴスリング氏の決意はほぼ固まったが、それでもまだ最終決定には至っていなかった。ゴスリング氏が両手を天に差し伸べて叫びたくなった最後の一撃は、「わたしのOracleでの仕事が、ステージに立って、OracleのためのJavaの広告塔になることらしかったことだ。そうした仕事はわたしには向いていない」

 それに加えて、ゴスリング氏は既にOracleが“倫理的に問題がある”と感じており、こりごりして退社を決意したという。

 表舞台に立つのは、米野球殿堂入りした往年の名選手ウィリー・メイズが球場のイベントでサインするような気分ではないかと尋ねたところ、ゴスリング氏は「まあ、ウィリーはそういうことが好きだっただろうが、わたしは違う」と言った。

 また、SunはOracleよりもIBMに買収された方が良かったと思うか(IBMはSun買収の交渉をしていたが、最終的には手を引いた)という質問には、ゴスリング氏と、少なくともSunの元会長のスコット・マクニーリー氏はその可能性を議論したと答えた。そして、マクニーリー氏が導き出した総意は「Oracleの方が野蛮だが、IBMの方が多くレイオフを行うだろう」というものだった。

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