随分と昔から企業名をそのまま個人やら何やらが取得して売りつけるとか、その権利の譲渡がどうのとか色んな問題が起きているわけですが、「顔」としてのURLだけではなく、キャンペーンサイトのURLなどもそのあと第三者がまったく意図しない目的で利用することも実際に起きたりするわけです。
企業や団体にとって、URLはいわば顔である。そのことを改めて考えさせてくれたのは、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」のキャンペーン用のURLであっても賞味期限は実は切れることが無いという事実というエントリーだ。
確かに最近は、URLを意識することなく企業のWebサイトにアクセスすることが多くなった。テレビのCMなどでは企業名やキーワードで検索するように促しており、URLが表記されないことも多い。検索して該当ページへとアクセスする。もしくはQRコードを使って携帯電話からアクセスする――といった具合だ。しかし、それはURLを意識しなくなるだけであって、URLがなくなったわけではない。
URLは、会社概要ページのようにほぼ固定されているものもあれば、キャンペーンなどで一時的に使われるものもある。岩永氏が指摘するのは、キャンペーンなどで使われた一過性のURLについてだ。「使うはいっときの話であっても、それ自体は簡単には抹殺できない」のだ。
URLを保持するためには、コスト負担が生じる。キャンペーンが終了すれば保持する必要はなくなるわけだが、簡単に権利を放棄してしまっていいのだろうか。以前も取り上げたように、ネット上に掲載される情報は、常に最新情報というわけではない。放棄してしまったキャンペーンサイトのURLが、ずっと残ることもある。
岩永氏は、次のような指摘をしている。「権利を放棄した時点でどこかの誰かがそれを取得」してしまった場合、「当初それを利用していた人がまったく意図しない、あるいはむしろ困るような用途にすら使われるという危険性がある」のだ、と。
この問題について、岩永氏も確たる解答を持ち合わせていないというが、「どういう風に位置付けるのか、どういう風に使っていくのかなど、ときどき考えても損はないんじゃないかな?」とまとめている。
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