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» 2010年12月10日 11時00分 UPDATE

MSDNブロガーの視点:Windows上でOSSと付き合っていくために

オープンソースソフトウェアと良好な関係を構築するには、コンパイル方法を知っておくべきだ。MSDNブロガー荒井省三氏の貴重なアドバイス。

[荒井省三(マイクロソフト),ITmedia]

(このコンテンツはMSDN Blog「荒井省三のBlog」からの転載です。エントリーはこちら。なお、記事内容はすべて筆者の個人的な見解であり、筆者が勤務する企業の立場、戦略、意見等を代表するものではありません)

 今回は、過去に私が経験したオープンソースソフトウェアとの出合いに遡って、どのように使ってきたかという話を記載します。

 最初にOSSと出合ったのは、まだOSSという用語のない時代で1990年代の前半でした。当時は仕事で商用のUNIXワークステーションを使っていたこともあって、anonymouse FTPを使ってPDS(Public Domain Software)のアーカイブを落として、自分でmakeしていました。PC界隈では、MS-DOSやWindows 3.1が使われ出した頃の話です。当時のUNIX WSは、BSD系のSunOSやNEWS、System V系、そしてさまざまなRISC CPUを搭載していました。この関係もあって、configを修正してmakeするのが当たり前だったのです。この頃に使っていたコンパイラは当然のこととしてCなわけですが、C言語は独自で覚えました。

 ある時、tarボールの中身を展開した内容をlsしていて、おや「MS-DOS」用があることに気が付きました。試しにmakeしてみようと思って、MS-Cコンパイラを引っ張り出してきてmakeして、gzip.exeを作って遊んでいました。その後に、Windows 95などを使ったアプリケーション開発に仕事が変わったのですが、時折、ユーティリティのような仕事も入りました。その中にLotus Notes対応のユーティリティを作ったことがあるのですが、この時はNotes SDKを入手してNotes APIをラップしたDLLを作成して、Delphiでユーティリティを書いていました。ご存じのようにCコンパイラは、ヘッダーファイルのパスなどを設定すればコンパイルすることができますが、リンカはオブジェクトファイルへのパスを設定しないと編集することができません。なにせ、Notes SDKなどを触ったのは初めてなもので、けっこう、四苦八苦した記憶があります。

 結局、何が言いたいかと言えば、OSSと付き合っていくにはコンパイル方法を知っていた方がよいということです。不足するモジュールがあった場合に、親切な方がコンパイルしたモジュールを公開されていますから、検索すれば見つけることができますが、自分が使っている環境で問題なく使えるという保証はありません。こんな時に、野良ビルドの方法を知っていると、とっても便利だと思うのです。当時は、インターネットの商用利用の先駆けの頃でしたし、今ほど情報はありませんから、NetNewsで調べたり、何よりも自分で試すことが最初でした。最近は、便利な書籍が電子出版という形で出ていますので、この本なども野良ビルドをするための勉強になると思います。

 「Ruby環境構築講座 Windows編」

 この書籍は電子出版の利点を生かして、ベータ公開して、フィードバックによって内容の更新を行うものです。紙の書籍と違って、更新版も手に入るという新しい試みを行っています。アメリカのManningのEAPと同じ試みとも言えます。この野良ビルダー養成読本とも言える試みは、今年のRuby会議から始まったものです。Rubyに限りませんが、OSSの中でも使用者の多いLinux系の方達は、自分でビルドするという傾向があり、Windowsでの利用者はバイナリ利用という傾向があります。このために、Windows系のメンテナが慢性的に不足しており、新しいメンテナ養成講座という試みで、素晴らしいと私は考えています。

 私が始めた頃にもあれば、試行錯誤して苦労することはなかったんですが、「なければ作る」の心意気がハッカーの心情だと信じていますので、ぜひ、ない物は作っていきましょう。

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