今出てきているAndroidを使った製品は、先週その採用を決めたわけではなくて、もっと前からそれを前提に物事が動き始めているわけです。で、実は大抵の場合、どこかにその前兆があるんですね。その前兆をどうやって感じて、感じたモノをどう解釈して、何が起きるのかという流れを見るかってのが大事。
スマートフォンが来てるぜ論、Androidが来てるぜ論、そしてコンテクストの捉え方:番長と遊ぼう!:THE SHOW MUST GO ON
年頭ということで、2011年以降の予測をするエントリーが目立った。まずは主だったものを紹介してみよう。
ブロガー | ブログ | 2011年(および、それ以降)の予測 |
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伊藤芳浩氏 | 「持続可能な情報社会」 | 2011年の情報社会について |
大元隆志氏 | 「ASSIOMA」 | Androidは本当に世の中を席巻するか? 市場の予測に疑問を投げかけてみたい。 |
小川浩氏 | 「Speed Feed」 | 2010→2011 |
斉藤徹氏 | 「In the looop」 | 米国発。2011年、ソーシャルメディアのトレンド予測 |
永井孝尚氏 | 「永井孝尚のMM21」 | これから5年、私たちの生活を変える5つのイノベーション |
中嶋政和氏 | 「『スマートIT』術」 | 独断的、2011年のIT業界を考察(Apple、Android、SNS、モバイルクラウド、、やはり・・・) |
林雅之氏 | 「『ビジネス2.0』の視点」 | 【2011年】ITベンダ各社のクラウドビジネスの方向感(年頭所感より) |
今年1年の動きは、射場本健彦氏「全球的な目線で」の平成23年/2011年政治・外交・主要イベント日程表:あけましておめでとうございます!を読んでいただきたい。今年から来年に至るまでの主な予定を一気に知ることができて便利だ。
2011年以降の予測をするにしても、重要なことがある。それは、岩永慎一氏のスマートフォンが来てるぜ論、Androidが来てるぜ論、そしてコンテクストの捉え方で触れられている、「モノが何かしら表に出てくる前に、それぞれ必要なだけ準備期間がある」ということ。新しく何かが出来るには、「必ず準備期間がある」のだ。それを読めればいいのだが、岩永氏が言うように、正解はない。
未来を見据える時に注目すべき点は“歴史”である。以下のエントリーを読んでほしい。考えさせられるはずだ。
ブロガー | ブログ | 歴史を振り返る |
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荻澤篤志氏 | 「赤狐がめぐる冒険」 | 干支(えと)と 60年周期説の不思議 |
永井孝尚氏 | 「永井孝尚のMM21」 | 「国力は欧米の1/20」と分かっていても、「見たくないものは見ない」と封印し、70年前に戦争を始めた日本。「見たくないものは、見ない」体質、現代は変わっているのか? |
私は、電子書籍デバイスよりも、コンテンツの充実、Amazonで日本の雑誌が電子書籍として発売してほしいです。
佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」のKindleがハリーポッターを抜いたというエントリーを見た時、一瞬、何のことかと思った。これは、「Amazon.comのベストセラー商品が、今までハリーポッター第7巻だったが、ついにKindleがその座を奪い、見事1位に輝いた」ことだ。日本の話ではないが、実に興味深い。佐川氏はiPadはゲームとメール、Kindleは読書でも触れているように、電子書籍を十分に活用しているようだ。
しかるに日本はどうだろうか。佐々木康彦氏の毎日新聞の1面にePub縦書き対応のニュースが掲載される時代wで紹介されたように、一般紙の一面で、電子書籍関連記事が掲載されるまでになった。
とは言っても、大木豊成氏の電子書籍元年は2011年なのか、はたまた伸び悩むのかでも指摘されるように、日本ではまだ不透明な部分が大きい。筆者のように紙の本に愛着がある人間も多いので、すべてを電子書籍化できないこともあるかもしれない。現在、電子書籍を積極的に利用するユーザーには、“自炊”する人も多いが、大元隆志氏「ASSIOMA」の寄稿記事:冬の自炊メモ 〜カバンの中にあなたの本棚を〜にあるように、裁断する必要がある。書籍の造形も愛している人間からすると、絶対にしたくないことだ。
しかし、デジタルの種類はまだ十分ではない。岡本博行氏「The Grouchy Bug」の最近のKindleネタにもあるように、「電子書籍デバイスよりも、コンテンツの充実」が必要だ。昨年から今年にかけて、さまざまな電子書籍端末や仕組みが出ているが、箱がいっぱいあっても、肝心の中身が追い付いていないのでは仕方がない。
電子書籍が進んでいくと、小林啓倫氏「シロクマ日報」のあらゆるコンテンツが未完成となる時代でも指摘されたように、未完成コンテンツがあふれる時代になっていくかもしれない。すでに、読者参加型の小説なども登場している。
どちらにせよ、コンテンツの充実が急務なのは言うまでもないことだ。
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