クラッキングツールの氾濫状況が明らかに――トレンドマイクロ調べ

日本と世界で検出された不正プログラムのうち、クラッキングツールやワームがランキングの上位を独占した。

» 2011年02月08日 15時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 トレンドマイクロは2月8日、1月度のインターネット脅威レポートを発表した。国内と世界で検出された不正プログラムの数から、クラッキングツールやワームが氾濫している状況にあることが明らかになった。

 国内の状況では、クラッキングツールの「CRCK_GETCPRM」や、ファイル共有ソフトを通じて拡散するワーム「WORM_ANTINNY」ファミリーの検出が目立った。CRCK_GETCPRMは、著作権保護技術の「CPRM」を不正に解除する。WORM_ANTINNYファミリーは、世界の検出数ランキングでは圏外となっており、日本特有の不正プログラムだと同社は指摘している。

 世界でもクラッキングツールの検出が目立つが、国内と異なるのはソフトウェアのシリアル番号を不正に解読するタイプが上位を占めた。また、不正サイトにユーザーを誘導する「TSPY_ONLINEG.MCS」や偽セキュリティソフトの「TROJ_FAKEAV.SMT1」といった詐欺に関係する不正プログラムも多数検出された。

 国内を含め世界的に猛威を振るい続けているのが、ワームの「WORM_DOWNAD」(別名:Conficker)である。このワームは2008年ごろに出現し、ネットワークやUSBメモリなどあらゆる経路を使って世界中で大流行した。現在もその勢いは衰えておらず、特に企業ネットワーク内ではDOWNADの根絶が非常に難しいものとなっている。

 クラッキングツールやWORM_ANTINNYファミリーなどについて同社は、不特定多数のユーザーを狙う攻撃に比べて、ユーザーの行動に応じて感染の可能性が大きく変化すると指摘。クラッキングツールやファイル共有ソフトは、著作権物の不正利用を助長していると言われる。安易な利用によって不正プログラムに感染すれば、深刻な被害を受けることになる。

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