Oracleとソフトバンクグループが提携、ExadataとExalogicのクラウドサービスを提供

Oracleとソフトバンクグループが提携し、データベース製品のExadataやアプリケーション基盤のExalogicの機能をクラウドサービスとして提供する。

» 2011年05月18日 17時55分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 米Oracleとソフトバンクテレコム、ソフトバンク傘下のPSソリューションズは5月18日、企業向けクラウドサービス事業で協業することを発表した。ソフトバンクテレコムは、Oracle製品の機能をインターネット経由で利用できる「ホワイトクラウド エンタープライズ PaaS powered by Oracle」のβ版サービスを今夏から開始する。

 ホワイトクラウド エンタープライズ PaaS powered by Oracleは、Oracleのデータベースアプライアンス製品「Oracle Exadata Database Machine」の機能を提供する「Database モデル」と、アプリケーション基盤製品「Oracle Exalogic Elastic Cloud」の機能を提供する「Application Server モデル」の2つのメニューからなる。

 β版サービスはDatabaseモデルのみとなり、利用料金は最小構成の場合で1時間当たり2980円から。秋以降に2つのメニューを正式サービスとして提供する予定だ。Oracleと日本オラクルが製品および技術支援を提供し、サービス運用をPSソリューションズが担当する。日本オラクルとソフトバンクテレコムは、PSソリューションズに人材支援も行う。

ホワイトクラウド エンタープライズ PaaS powered by Oracleの概要(左)とDatabase モデルメニューの内容

 サービスの背景について、ソフトバンクテレコム 専務兼最高情報セキュリティ責任者とPSソリューションズ 社長を務める阿多親市氏は、ソフトバンクグループがExadataの国内ファーストユーザーとなったことを挙げ、企業から要望が高まりつつあるPaaSのサービスを、Exadataの運用で蓄積したノウハウを基に提供することを決めたと説明した。

 「ボーダフォンジャパンの買収で急務だったのが、加入者の通話履歴を管理するデータウェアハウスの整備。これに対応できるのがExadataで、導入後は旧システムに比べてパフォーマンスが8倍に高まり、一方で運用コストを約半分に削減できた」(阿多氏)。ソフトバンクテレコムでは、情報システム部の技術力の向上にも取り組んでいるといい、在席する約860人の社員のうち、260人がベンダー技術や情報セキュリティなどの上級資格を保有する。高度な技術を持った社員がサービス運営を担う点にも強みがあるという。

 日本オラクル 社長の遠藤隆雄氏は、「これまでプライベートクラウドへの活用を企業顧客に提案してきたが、これからはパブリッククラウドも活用するハイブリット型の導入が広がる。今回の提携をきっかけに、この分野でのビジネス拡大を目指したい」と表明。また、Oracle 社長のマーク・ハード氏は、ビデオメッセージを通じてソフトバンクグループとの提携に賛辞を送った。

提携を発表した日本オラクルの三澤智光氏と遠藤氏、阿多氏、Oracleのロバート・シンプ氏(左から)

 なお、Oracle製品のPaaSのサービスは米Savvisと米Amazon Web Servicesが既に提供している。阿多氏は、「他社のサービスはコンピューティングリソースをどこでも使える利便性をユーザーに訴求している印象があるが、当社のサービスは日本の法令に適合できる点が特徴だ」と、先行するサービスとの違いを強調した。

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