三田証券がFXトレーディングシステムをクラウド環境へ移行取引システムもクラウド

証券会社が顧客に提供するオンライントレーディングシステムもいよいよクラウドの時代に入った。金融商品の取引ではシステムの性能が顧客の利益や損失に直接影響してしまうが、その性能の高さが評価の決め手となったという。

» 2011年06月08日 16時16分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 中堅証券会社の三田証券は6月7日、FX(外国為替証拠金取引)のオンライン取引システムをクラウドサービスに移行していくことを明らかにした。

 現在、同証券が取引所FX「くりっく365」を売り買いするために提供しているオンライン取引システムは、シンプレクス・コンサルティングが開発したもので、注文の種類が豊富なことや使いやすさで利用者から人気がある。シンプレクスが金融商品取引システムのクラウドサービス「Voyager Trading Cloud」を提供開始するのに伴い、第1号ユーザーとしてシステム基盤をクラウド環境に全面移行させる。

 金融商品の取引では、システムの性能が顧客の利益や損失に直接影響してしまうが、例えば、注文執行レイテンシーについては従来比12倍の8ミリ秒を実現するなど、Voyager Trading Cloudの性能が高く評価され、移行が決まったという。同クラウドでは、シンプレクス独自開発の専用プラットフォーム「Galaxy」が使われ、高速メッセージングとオンメモリデータベースによってデータの高速処理が実現されている。

 Voyager Trading Cloudは、複数の金融商品を単一のプラットフォームで対応できるの特徴。シンプレクスでは2012年以降、相対取引(OTC)や先物オプション、差金決済取引(CFD)などにも順次対応していくとしている。

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