Oracleのイベントから締め出されたベニオフCEO、近くのレストランで基調講演

ラリー・エリソンCEOの怒りを買って基調講演の予定をキャンセルされたsalesforce.comのマーク・ベニオフCEOが、ソーシャルメディアで探した代替会場で講演を行った。

» 2011年10月06日 18時50分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 「Oracle OpenWorld 2011で予定していた私の基調講演は急にキャンセルされたが、ショーを続けなければならない」――。米salesforce.comのマーク・ベニオフCEOは10月5日(現地時間)、米Oracleが年次カンファレンスを開催中のイベント会場近くのレストランで、“会場で行うはずだった”基調講演を行った。

 同社は前日、ベニオフCEOが5日の午前10時15分からOracle OpenWorld(OOW)で基調講演を行うという発表文と、Oracleが同氏の講演をキャンセルしたという発表文を公式サイトに掲載した。

 ベニオフ氏の“基調講演”は、OOWの会場であるサンフランシスコのモスコーニセンターのすぐ近くにあるセントレジスホテル内のレストラン「アメ」で行われた。

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 ベニオフ氏は満員の聴衆を前に、Oracleが前日の午後になってキャンセルのメールを送ってきたが、「ソーシャルメディアのおかげで、すぐにこうして代わりの会場を見つけることができた」と語った。だが、そもそもOracleにキャンセルされた理由として、Oracleのラリー・エリソンCEOが日曜日に行った講演について、自分のFacebookアカウントで辛辣なコメントを投稿してエリソン氏を怒らせたのが原因だとも語った。

 同社はクラウドとともにChatterなどのコラボレーションツールに注力しており、モバイルとソーシャルと取り込んだCloud 2を提唱している。

 講演は特に新しい製品やサービスを発表するものではなく、9月のDreamforce 2011での基調講演とほぼ同じ内容だった。

 ベニオフ氏は「来年OOWに参加するかどうかはラリー次第だ」としつつも「DreamForceは今や、OOWよりも大規模で、エキサイティングなイベントになっており、われわれはOOWに参加する必要がなくなっている。これがわれわれの“白鳥の歌”になると思う」と語った。

 ラリー・エリソン氏は同日、salesforce.comのクラウドサービスと競合するパブリッククラウドサービス「Oracle Public Cloud」を発表した

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