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» 2011年10月25日 17時40分 UPDATE

IBM Information On Demand 2011 Report:金融危機を読みきったビジネスアナリティクス (1/2)

「ビッグデータ」の中核となるべき製品群をラインアップする、IBMソフトウェアブランドの年次カンファレンスが開幕した。

[伏見学,ITmedia]
昨年に続き会場となった「Mandalay Bay Resort and Casino」 昨年に続き会場となった「Mandalay Bay Resort and Casino」

 2006年に収益で世界一の座をマカオに明け渡したものの、今なおカジノの本場として人々を魅了し続けるラスベガス。リーマンショック後に、観光客の足が遠のいた時期があったものの、再び引き戻し、訪問者は増加し始めているという。特にカジノで目に付くのが中国人観光客だ。お膝元であるマカオよりも、このラスベガスを好む者も少なくないと聞く。

 10月24日(米国時間)、ネバダ州ラスベガスにあるリゾートホテル「Mandalay Bay Resort and Casino」にて、米IBMのデータベース製品「DB2」やビジネス分析ツール「Cognos」などのユーザーに向けた年次カンファレンス「IBM Information On Demand 2011」が開幕した。今年で6回目となる同イベントは、初日に1万1000人の来場者を記録した。オープニングセッションでは、IBMの「ビッグデータ」に対する考え方が示されたほか、情報活用やビジネスアナリティクスに関するユーザーの成功事例が紹介された。

データをパズルのピースで考える

キャティ・ケイ氏 キャティ・ケイ氏

 現在、IT業界において主要なキーワードになっているのがビッグデータである。先ごろIT調査会社の米Gartnerが発表した「2012年の戦略的テクノロジートップ10」でも重要トレンドとして挙げられている。

 「あらゆるビジネスにおいて、もはやデータを活用しないという選択肢はない」――。同カンファレンスの司会進行を務めるBBCワシントン特派員、キャティ・ケイ氏は声を張る。同氏の長年の取材活動やキャスター経験を踏まえてデータによる裏付けがいかに重要であるかを物語っている。そうしたデータ活用を行う上で不可欠なのがITであり、IBMはその進化に対して計り知れない貢献をしている。ビッグデータ時代に突入し、同社の存在価値はますます高まるだろうとしている。

 ビッグデータについて、IBMのチーフサイエンティスト(Chief Scientist)で、Entity Analytics group IBM Distinguished Engineerを務めるジェフ・ジョナス氏は「新しい物理学だ」と語る。物理学においては、2つまたはそれ以上の物質が互いに力を及ぼしあうという概念を「相互作用」と表現するが、ジョナス氏によると、まさに企業におけるデータは相互作用しており、1つ1つは意味を持たず、組み合わせて初めて価値を創造するものだという。

IBMのチーフサイエンティスト、ジェフ・ジョナス氏 IBMのチーフサイエンティスト、ジェフ・ジョナス氏

 分かりやすい例として、ジョナス氏はジグゾーパズルを用いて説明した。ピース単体では特別な意味は持たないが、1つ1つのピースを隣り合わせていくことで全体のイメージを浮かび上がらせたり、あるピースが別々のシーンをつなぐ役目をしたりする。

 また、データはコンテクスト(文脈)で考えるべきだとジョナス氏は話す。その考えに従うと、悪いデータや誤ったデータでも一定の価値はあるという。「Googleの検索エンジンはユーザーの入力エラーをデータベースで記憶しており、別の場面、あるいは別のユーザーが同じミスをしたときに正しい検索ワードをリコメンドすることで効率化につなげている」とジョナス氏は強調する。データがデータを見つけるのであり、データが多いほど関連性やパターンを人やシステムは理解するとしている。

「コンテクストをいかに蓄積するかが、ビッグデータ活用における強い企業と弱い企業の差になるのだ」(ジョナス氏)

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