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» 2012年02月17日 08時00分 UPDATE

えっホント!? コンプライアンスの勘所を知る:統計で見るコンプライアンス違反でのペナルティ実態 (1/3)

コンプライアンスに抵触した従業員に対し、企業や組織ではどのような処分を行っているのだろうか――。

[萩原栄幸,ITmedia]

 今回は、コンプライアンス違反に対して実際に企業でどういう処分を行われているのかを解説したい。引用したデータの主な出典元は財団法人労務行政研究所の調査資料であるが、一部の情報は筆者の周りの人々から提供いただいものである。

罰則強化が急速に進む「飲酒運転」

 東京を主な活動拠点とされている人にとって、ピンと来ない言葉の一つに「自動車通勤」がある。とにかく都内の移動はJRや私鉄、地下鉄など電車を主体にしており、早くて便利だ。一部バスなどを利用する方が便利な場合もあるが限定的である。

 しかしそれは、首都圏や大阪圏などの大都市に限られる。筆者は全国で講演やセミナーを数多く行っている。そこで気が付くのは、場所によってはほとんどの従業員や職員が自動車通勤を行っているという現実だ。先日もある工場でコンプライアンスセミナーを行ったが、工場裏の敷地には従業員専用の駐車場があった。聞くと従業員の9割近くが自動車で通勤しているという。バスもあるのだが、バス停まで徒歩で5分近くもかかり、バスの間隔は通勤時間帯ですら1時間に4本しかない。「雨や雪でなかなかバスが来ない時もあり、30分以上も待たされることがたびたびある」とバス通勤者は嘆いていた。

 地方はこういう通勤事情なので、実は少し前まで全国的に「飲酒運転」が黙認されていたと思われる。地方の人は警察による取り締まりを事前に把握しており、地元の新聞に予定が掲載されている。

 だが世論は、飲酒運転をだんだんと許さなくなっていった。悲惨な事故が続いていたからである。そのため2007年の公開情報によれば、マイカー通勤者が帰宅途上に飲酒または酒気帯び運転で検挙された場合に「懲戒解雇」されるケースは一般社員で25.7%、管理職なら27.7%にもなっている。これは前回調査(2003年)に比べて急増しているとのことだ。これ以上の最新情報がないので残念だが、当時ですら懲戒処分の厳罰化など見直しを検討していると回答した企業が4社に1社という割合に達する。地方の企業や自治体の関係者から聞くに、今ではこの割合が半分程度にまで、さらに増加しているものと思われる。

 その他、車に関係する情報としては、「業務時間外にマイカーで飲酒または酒気帯び運転をして事故を起こし入院を要するけがを負わせた場合」は、懲戒解雇になるのがおおよそ45%である。「就業時刻後に酒酔い運転で物損事故を起こし逮捕された」ケースなら40.4%だ。これに「論旨解雇」を加えると56.9%。さらに、一律には判断できず査問委員会などで検討(たいていは「解雇」となるのだが)という対応も加えると67%にもなる。いずれも今から5年前の調査結果であり、現在ではたぶん9割が「解雇」になると想定される。

 「営業外勤者が業務中に自動車で通行人をはねて死亡させ、本人の過失が100%」であった場合、上述の「懲戒解雇」「論旨解雇」「査問委員会での検討」を合わせて75.3%に上る。これも現状ではほぼ100%が「解雇」になるのではないだろうか。

 ちょっとした油断で車は殺人マシンになりかねないという意識を持つ必要がある。毎日マイカー通勤されている人には、疲れて帰る途中に「ちょっと一杯」という悪魔の誘いはくれぐれも乗らないようお願いしたい。また、同乗者もそうした行為を認知しているなら処罰の対象とされる。2011年には逮捕者が何人も出ている(これら調査が行われた5年前にはそういう条文はなかった)。

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