個人情報が大事も守らない日本人――Symantecのネットユーザー調査

マルウェアなどの危険性を理解しながらも、対策意識の薄いユーザーが比較的多く存在するという。

» 2012年03月30日 13時18分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 個人情報を重要だとしながら保護や対策へ十分に取り組まない人が少なくない――Symantecが2月に実施した調査結果から、このような日本のインターネットユーザーの傾向が浮かび上がったという。

 この調査はインターネットセキュリティ動向を把握する目的で行われ、日本と中国、シンガポール、インド、オーストラリアの18から64歳までのインターネット利用者を対象に、オンラインアンケートを行った。サンプル数は各国とも500人。

 まず日本人の1日平均のインターネット利用時間は7時間で、5カ国中では最も短かった。シンガポールは9時間、インドは8.5時間。利用目的の上位はメール、金銭などのやり取り、Web閲覧が9割前後を占め、一週間の利用時間ではWeb閲覧(13.2時間)、メール(5.1時間)、金銭などのやり取り(4.0時間)の順だった。日本が特徴的な点としてはSNSやゲームの利用が、中国やインドの半分程度にとどまったことだという。

 インターネットを利用できない場合について、5カ国とも「限界は3時間まで」という回答が25%前後に上ったが、「24時間が限界」という答えは日本人の過半数が挙げて最も多かった。困る内容では「仕事関連」(50%)、「購買」(43%)、「コンテンツ利用」(40%)が上位を占めた。「家族や知人との連絡」は28%だったが、女性に限定すると39%に達し、男女間での意識に大きな開きがみられた。

インターネットができなくて困ること

個人情報は重要……

 日本のネットユーザーが対処すべきと考えるものは、トップが「個人情報の保護」の76%(優先度1〜3位の合計、以下同じ)だった。2位以下は「悪意のあるコンテンツやメール」(67%)、「ダウンロード時のマルウェアやウイルスの侵入」(64%)、「プライバシー保護」(53%)。

 脅威の認知度は「ウイルス」(88%)、「フィッシング」(81%)、「迷惑メール」(78%)、「詐欺」(77%)、「ID盗難」(75%)の順に高かった。また「1億円(もしくは100万ドル)を入手できる代わりに個人情報をさらけ出せるか」という質問に、日本のユーザーの79%が「1億円をあきらめる」と答えた。他国も同様だったが、唯一中国は「100万ドルと手にする」の方が多かったという。

重視する取り組み

 個人情報の保護に対する取り組みでは日本のユーザーの27%が「何もバックアップしていない」と答え、5カ国中最下位。バックアップをしているというユーザーは、「写真」(58%)、「文書」(43%)、「音楽」(35%)、「アドレス帳」(34%)を対象に行っていた。

デビッド・フリーア氏

 また、セキュリティ製品への理解では73%が「機能や製品の違いがよく分からない」と回答する一方で、インドなどは50%程度だった。日本のユーザーの26%は「ウイルス対策だけで十分」と答えたとしている。

 調査結果について、アジア太平洋・日本地域のNorton事業を担当するデビッド・フリーア バイスプレジデントは、「デジタル先進国のイメージが強い日本で、情報保護に対する取り組みが十分ではないというユーザーが予想以上に多いことに驚いた。ベンダーの立場としては啓発により注力したい」とコメントしている。

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