情報セキュリティ分野の人材不足が鮮明に、「スキル不十分」も14万人

国内企業で情報セキュリティの仕事に就く人材は約23万人。2万人強の不足があり、十分なスキルを満たしているとみられる人材は約9万人だった。

» 2012年04月27日 14時48分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は4月27日、「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査」の報告書を公開した。企業を中心に人材数やスキルが不足していることが明らかになった。

 それによると、従業員数100人以上の企業で情報セキュリティ業務に従事する技術者は約23万人に上る。内訳は100人から300人未満が約8万5000人、300人から1000人未満が約6万3000人、1000人以上が約8万1000人。それぞれの規模で6200人から8500人ほどの人材が不足しているとされ、合計で2万2000人に人材が必要とされている実態が分かった。

 また業務に従事する23万について、必要なスキルと満たしていると考えられる人材は9万人強だった。約14万人に対しては何らかの教育やトレーニングを追加的に実施する必要性があるという。

 大学や専門学校などで情報セキュリティを専門的に学ぶ人材は年間1000人ほど、情報セキュリティの科目を受講できる機会のある学生は約2万人に上ることも分かった。

 調査を実施した「情報セキュリティ人材育成検討委員会」(委員長:今井秀樹 中央大学教授)は、大学などで学習機会のある約2万人の学生が年間の人材供給能力となり得るが、実際には確実に専門的な教育を受講した1000人弱にとどまり、企業の情報セキュリティ人材の不足感に対応できないと分析。専門教育を受講する層の拡大や、教育機会を有する学生が実際に教育を受けるようにする取り組みが必要だと指摘している。

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