米Yahoo!のCEOに学歴詐称疑惑 大手株主が解雇を要求

米Yahoo!の再建策に不服で委任状争奪戦を展開している最大手株主のThird Pointが、スコット・トンプソンCEOの学歴詐称を指摘し、同氏の解雇を求めた。

» 2012年05月07日 07時39分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Yahoo!のスコット・トンプソンCEOが学歴を詐称しているとして、同社の大株主である米ヘッジファンドのThird Pointが5月4日(現地時間)、同社取締役会に対し、トンプソン氏を7日正午までに解雇するよう求めた。

 Third Pointは、Yahoo!の株式の5.8%を保有する最大株主。これまでもYahoo!による一連の再建策に不服として委任状争奪戦を展開している。

 scott スコット・トンプソン氏

 Third Pointが3日に、トンプソン氏の学歴詐称を指摘する声明文を発表した。これによると、Yahoo!のWebサイトおよび同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した文書にはトンプソン氏がストーンヒル大学でコンピュータ科学と会計学の学位を取得したとあるが、調査の結果、取得したのは会計学の学位だけであることが明らかになったという。

 Yahoo!はこの発表を受けて同日、トンプソン氏がコンピュータ科学の学位を取得したという記述は「不注意による」誤記であったとしてWebサイトの記述を修正。取締役会による調査を実施すると発表した。同社は株主向け声明文で、「トンプソン氏が複数の大手コンピュータ関連企業を成功に導いてきた経歴を持っていることに変わりはない」としている。同氏は米Coopers and Lybrand、米Barclays Global Investors、Visa子会社のInovantなどを経て米eBay傘下のPayPalに入り、2008年からPayPalの社長を務めた。

 Yahoo!によるこの対応を不服としたThird Pointが4日に、トンプソン氏の解雇を要求した。

 Yahoo!はこれを受け、この問題については調査中であり、調査が完了したら株主に対し適正な開示を行うと発表した。

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