企業がデータ分析に抱く“理想と現実”のギャップとは?ITmedia リサーチインタラクティブ 第13回調査(1/3 ページ)

ITmediaは「企業のデータ分析」をテーマに読者調査を実施した。企業の意欲は高く、92.7%の企業がデータ分析を実施/検討している。反面、自社のデータ分析・活用が十分でないとの回答も多かった。

» 2012年06月14日 08時00分 公開
[本宮学,ITmedia]

 ITmedia エンタープライズは「企業のデータ分析」に関する読者調査を実施した。92.7%がデータ分析を実施/検討しており、データ分析に対する意欲の高さがうかがえた。一方、自社のデータ分析・活用状況が「十分である」としたのは3.4%にとどまり、データ分析で抱く課題が浮き彫りになった。

調査概要

  • 目的:企業のデータ分析・活用に関する動向の分析、考察
  • 調査方法:Web上でのアンケート
  • 調査期間:2012年3月16日〜30日
  • 有効回答数:352件

過半数の企業がデータ分析を実施中

 まず、企業のデータ分析に対する取り組み状況を尋ねた結果を図1に示す。

photo 図1:データ分析への取り組み状況(有効回答数:350件/うち準備中・検討中が98件) 出典:ITmedia リサーチインタラクティブ(2012年3月)

 「全社的にデータ分析を行っている」(16.0%)と「特定の部門や業務だけでデータ分析を行っている」(47.7%)の合計で、64.4%の企業が既に何らかの形態でデータ分析を実施していることが分かった。

 また「データ分析の実施を予定し、準備を進めている」(7.7%)と「データ分析を検討している」(20.6%)を合わせて、28.3%が今後データ分析を開始したいと考えていることが分かった。さらに、これらのうち32.6%は、今後1年以内にデータ分析を開始したいと考えていることが分かった。

期待する価値と成果に“ギャップ”が

 データ分析に対して期待する価値を尋ねた結果を図2に示す。

photo 図2:データ分析に期待する価値(有効回答数:338件) 出典:ITmedia リサーチインタラクティブ(2012年3月)

 「顧客サービスの向上」(46.7%)や「営業力の向上」(46.4%)が並んで高い。以下「商品やサービスの開発/改善」(44.4%)、「マーケット動向の予測」(36.1%)と続いた。

 データ分析は経営状況の把握でも利用が多いとみられるが、「財務状況の改善、コスト削減」は25.7%、「生産管理やサプライチェーンの強化」は17.2%にとどまった。このことから、「売り上げ向上」につながる効果を期待していることが明らかになった。

 実際にデータ分析を行っている企業は、どのような成果を生み出しているのか。その結果を図3に示す。

photo 図3:データ分析の成果(有効回答数:220件) 出典:ITmedia リサーチインタラクティブ(2012年3月)

 「商品やサービスの開発/改善」(41.7%)、「財務状況の改善、コスト削減」(40.6%)、「顧客サービスの向上」(38.7%)において、「成果が出ている」とする企業が多かった。

 「財務状況の改善、コスト削減」は、前の設問で期待度が低かったが、成果面での手応えを実感する企業が多い。これと対照的だったのは「顧客サービスの向上」だった。

 また「今は成果が出ていないが、今後出てくると思われる」との回答が最も多いのは「新しいビジネス価値の創出」(45.6%)だった。

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